人は、他者が予想外の行動をとった場合、その原因が気になるものです。原因がわかれば、将来どのような行動をとるのか予測でき、対処法を決めておけるからです。他者の行動の原因を推測する際、人は原因を、人柄や能力など人物の内的要因に求める傾向があります。人が情報を処理する際、最初に内的要因、次に環境などの外的要因と、順番に対応するためです。
一方、人の情報処理能力は、コンピュータと同様に限界があり、資源を使いすぎると疲弊します。人は、最小限の労力で情報処理を行い、限りある資源を無駄遣いしないよう努めます。そのため、他者の行動の原因を推測する際、資源の使用を節約し、最初の内的要因の推測で終了しがちとなります。
しかし、外的要因の環境は、内的要因以上に、人の行動に大きな影響を及ぼすことが分かっています。知らず知らずのうちに、「あの人は、ああいう人だから」と決めつけているかもしれません。人間関係で悩んだ時、相手の環境や置かれた状況など外的要因も意識してみてください!