「人前で話すのが苦手だ」「営業が苦手だ」「自分に管理職は無理だ」。人は誰しも、苦手意識を持つものがあります。「目の前の聴衆はカボチャだと思え」「営業で断られても気にするな」「あなたなら管理職が担える」と助言されても、なかなか安心できません。考え方、受け止め方を変えるよう言われても、不安が改善されないことがあります。行動の裏付けのない認知の変容は、感情の伴う状況では限界があります。
一方で、不安の対象となる状況を避けてばかりいると、なかなか馴れず、苦手意識がいつまでも無くなりません。ある刺激や状況に馴れ、大丈夫と思えるには、ある程度の時間、その状況に直面する必要があります。苦手意識の克服は、頭で分かるだけでなく、実際に体験することです。
私たちは、地球が丸いことを、知識をつうじ理解し、疑うことはありません。しかし、不安は、時に生命維持に関わるため、不安を伴う状況は、体験なくして本当の理解を得ることはできません。人は、重要な決定について、言葉だけではなく、自分が直接経験した事実を基に判断します。これは、人が、体験を通じて、多くのことを克服できる可能性があることを意味しています。今まで苦手だと思っていたことに、一歩を踏み出してみませんか?