【セルフコーチングのはなし】肯定表現の「〇〇する」を意識

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通常、「行動」とは、動き、動作、振る舞いなどを言います。行動が伴わない、といった表現にみられるように、行動は人の感情や気持ちとは区別され使われます。認知行動療法における行動は、「生きているからこそ自発する反応」を意味します。例えば、「他人に腕をつかまれ高く持ち上げられた」は、自発する反応ではないため行動ではありません。行動には、睡眠、呼吸も含まれます。これらは、無意識に自発する反応であるため行動として扱います。

認知も広い意味で行動に含まれます。「自分は〇〇な人間である」と自己評価することは、自発的な行動です。「やる気」は行動ではありませんが、「やる気がでないと思う」は、行動です。このように認知も行動に含まれますが、認知は動きと異なり内的な反応であるため、認知行動と呼ばれています。

行動かどうかは、死人にできるかできないかで判断します。これを死人テストと呼びます。「傷つけられる」「細胞が腐敗する」「横たわる」、これらは死人にもできるため、行動ではありません。「諦めない」「話さない」「動かない」など、しないの否定表現も死人にできるため、行動ではありません。教育や指導の場面において、「〇〇するな」という指示は、効果的でないと言われます。「〇〇するな」と言われた側は、困惑し動けなくなり、行動を習得できません。肯定表現の「〇〇してみたら」の助言の方が実施を促すには有効です。行動の獲得には、主体的に動けることが必要です。

セルフコーチングのゴール設定、仕事の目標設定、同僚や部下への依頼、友人や家族へのお願い、あらゆる場面において行動を書いたり話したりします。ぜひ、死人にはできない本当の「行動」を意識してみてください。

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