2021年4月に「高年齢者雇用安定法」の改正により、70歳までの就業機会の確保の努力義務が発効されました。既に、70歳~74歳の高齢者の3人に1人が働いています。定年後も10~15年は働くことが当たり前の社会が目の前に迫っています。
定年後は、仕事ではなくボランティアも選択肢の一つです。私も、7年前から、ボランティアとしてISACAで活動しています。仕事が忙しい時は、「なんでこんなことやってるのかな」と思うこともありますが、会員から感謝の言葉をいただいた時は、「やってて良かったな」とつくづく感じます。ボランティアですので、仕事が忙しい方は無理はしないことを前提としています。時には、一部の人に負荷がかかることもあります。みんなが、無理なく気持ちよく活動できることを意識します。ある意味、仕事以上に、難しい面があるかもしれません。前置きが長くなりましたが、本日は中高年のボランティアについて考えたいと思います。
老後の不安、お金と健康の次は「生きがいを見つけられるか」
会社員は、老後の生活にどのような不安を抱えているのか見ていきたいと思います。下記の図は、労働政策研究・研修機構(JIPT)の「企業で働く人のボランティアと社会貢献活動―パラレルキャリアの可能性―」を基に、会社員が老後の生活に対し不安に思っていることをグラフ化したものです。
「生活するに十分な資金があるかどうか」「健康で過ごせるかどうか」が不安の1、2位です。お金と健康は、生活の基本です。3位は、「生きがい,やりがいを見つけられるかどうか」です。お金と健康が前提とすると、「生きがい、やりがい」が、多くの方の不安と言えるかもしれません。
出所:企業で働く人のボランティアと社会貢献活動―パラレルキャリアの可能性―/JILPTを基に作成
ボランティアも選択肢の一つ。役に立つのは対人関係スキル
「生きがい、やりがい」の一つに、ボランティアがあります。言い換えると、社会貢献活動、非営利の活動です。以下のグラフは、仕事を通じて得られたスキルの中から、ボランティアで役に立ったものを示しています。
1位は、対人関係のスキル「感謝やねぎらいの言葉をかける」「人のサポートをする」です。会社で頻繁に要求される業務推進のスキルは、他のスキルより低くなっています。ボランティアは、組織以上に、個人としての行動がより大事になります。参加者の奉仕の気持ちが大切ですので、お互いを尊重し合う必要があります。ここに、ボランティアをうまくやっていくヒントがありそうです。
出所:企業で働く人のボランティアと社会貢献活動―パラレルキャリアの可能性―/JILPT
まとめ
人生100年と言われ、定年後の過ごし方が、楽しみから課題に変わってきました。会社員の老後の不安は、お金、健康に次いで、「生きがい,やりがいを見つけられるかどうか」です。「生きがい、やりがい」として、ボランティアがあります。ピーターF.ドラッカーは、会社や家庭とは別のもう一つのコミュニティを持つことで、より広い視野や経験、より精神的に豊かな生き方ができると述べています。ボランティアで、最も役に立つスキルは、対人関係のスキルです。私の経験からも、ボランティアで人に頼み事をする時は、仕事以上に相手への思いやりが大切だと感じます。定年後、豊かな人生を歩むために、現役の時からボランティアを経験し、慣れておくのもよいかもしれません。(^^)
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