キャリア相談の効用は?迷いが消え、自律的にキャリアを考えはじめる

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厚生労働省が、「令和4年版 労働経済の分析 ―労働者の主体的なキャリア形成への支援を通じた労働移動の促進に向けた課題ー」を公表しました。本日は、「第Ⅱ部 第4章 第1節 キャリアコンサルティングが労働者のキャリア形成意識やキャリア形成に及ぼす影響」を見ていきます。 

労働者の職業生活設計の考え方(年齢階級別)

出所: 令和4年版労働経済の分析/厚生労働省

20~50歳代では、約60%の方が「自分で職業生活設計を考えていきたい」、40%の方は「会社から職業生活設計を提示してほしい」または「わからない」と思われています。この40%の方には、キャリアコンサルティングの機会が必要と言えるかもしれません。

また別の調査では、正社員以外では、「自分で職業生活設計を考えていきたい」と思われている方が、正社員に比べると低くなっています。本来、正社員以外の方こそ、よりキャリアを自律的に考えておく必要がありますが、現実は異なるようです。

労働者の職業生活設計の考え方(男女別・キャリアコンサルティング実施状況別)

出所: 令和4年版労働経済の分析/厚生労働省

キャリアコンサルティングを受けた場合、明らかに「自分で職業生活設計を考えていきたい」方が増えています。正社員以外の男性では、約20%の差があります。キャリアコンサルティングを受けることで、自分、仕事、社会のことを客観的に見れるようになるのかもしれません。

また、別の調査では、キャリアコンサルティングを受けた経験のある方のほうが、仕事内容および職業生活全般に対し、「満足している」および「おおむね満足している」の比率が高くなっています。キャリアコンサルティングを受けることで、仕事のみならず、自分の人生そのものを改めて考え、自律的に過ごされている方が増えているのかもしれません。

キャリアコンサルティング経験の有無別の転職回数

出所: 令和4年版労働経済の分析/厚生労働省

キャリアコンサルティングを受けた経験のある方は、転職経験のある比率が高くなっています。また、キャリアコンサルティングを受けた経験のある方は、一つの仕事ではなく、いろいろな仕事をたくさん経験している比率が高いという結果がでています。さらに、自らの職業能力が、他社で通用すると考えている方の割合が高くなっています。キャリアコンサルティングを受けることで、自分の気づかなかった能力や経験に気づき、仕事に対し自信を深めているのかもしれません。

キャリアコンサルティング経験の有無別の職業能力習得の必要性の感じ方(相談場所・機関別)

出所: 令和4年版労働経済の分析/厚生労働省

キャリアコンサルティングの経験がある方は、自らの能力開発に関し、迷いがなく、何らかの取り組みの必要性を感じているまたは既に実践されている方の比率が高くなっています。その時の職業状況にもよるかもしれませんが、特に企業外で受けられた方は、自発的な能力向上の取り組みの必要性を高く感じられています。キャリアコンサルティングが、何らか気づきを与え、キャリアを自律的に考え行動するきっかけになっていると考えられます。

まとめ

自律的キャリアが求められる中、いまだに約40%の働き手が、会社に職業生活設計を提示してほしいと考えています。自律的キャリアをサポートする仕組みとしてキャリアコンサルティングがありますが、正社員でキャリアコンサルティングの経験のある方は、13%となっています。キャリアコンサルティング経験者は、明らかに自律的なキャリア、さらには人生を歩んでいる方が多いという結果が出ています。

人は、語ることで、自分を深く知ることができると言います。人は、自分のことが分かっているようで、最も分かっていないと言われます。現在は、心理学、キャリア、カウンセリングの専門家がおり、資格も揃っています。一度の人生、後悔しないで生きるために、仕事やキャリアのことで悩まれている方は、ぜひキャリアコンサルティングを受けてみることをお勧めします。

(関連ブログ:キャリア相談の浸透状況は?相談の専門窓口を有するの企業は8%

ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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