【セルフコーチングのはなし】案ずるより産むが易し

個人のお客様ーレジリエンス

みなさんは、言語と行動の関係について考えたことはありますでしょうか。言語は、私たちの行動に影響を与えます。言語と行動の関係で、ルール支配行動と呼ばれるものがあります。ルールとは、行動と結果を表したものです。例えば、「本を読むと知識が増える」「毎日走るとマラソンが速くなる」「炭水化物を減らすとやせる」といったように、行動と結果を記述したものです。ここから、「マラソンが速くなりたいから毎日走る」のように、ルールに影響され行動することを、ルール支配行動といいます。

私たちは、子供のころから、大人に言われたことを守るなど、ルール支配行動をとってきています。成長するにつれ、自ら独自ルールを作り、日々ルールに沿って行動しています。「本を読むと知識が増える」といった単純なルールだけでなく、「会議の場で、〇〇〇について発言したいけど、上司の心情を害するかもしれない」「仕事が忙しく、同僚に助けを求めたいけど、迷惑がられるかもしれない」のように、その先の結果を想像し高度なルールを作り、従うようになります。しかし、これはルールの効果を弱めます。例えば、「同僚に仕事を手伝ってもらうと楽になる」といった単純なルールではなく、「迷惑がられるかもしれないので助けを求めない」のような高度なルールに従うことで、結果的に仕事は楽にはならないといったものです。大きな問題が起こらず何とかその場を乗り越えてしまうと、ルールは維持され続けます。

人が独自のルールを作り行動するルール支配行動は、人間特有のものと言われ、一見合理的な仕組みです。一方、ルールが高度になりすぎると、事実ではないことを否定的に考え行動を逸したり、機会を目の前にして行動しないといったように、非合理的な行動をとることがあります。人間は、つい事実ではなく、考えに頼り過ぎることがあります。推論だけではなく事実をしっかり見て、柔軟に判断することを心掛ける必要がありそうです。迷ったときは、「案ずるより産むが易し」を思い出してみましょう!

ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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