連合が、「コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022」 結果を発表しました。コロナ禍を経て、働き手はストレスをどう感じ、どう対処しようとしているのかを見ていきます。
ストレスの増減
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
コロナ禍により、ストレスが増えた人は36.6%、減った人は8.3%です。最も増えた年代は、50~59歳です。減った人数が最も多い世代は、18~29歳です。
コロナ禍で対面が制限されたことで、若手には、ストレスが減る人が、それなりにいるようです。
ストレスとなっているもの
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
ストレスとなっているものは、「職場の人間関係」がトップです。
業界ごとに見ると、「ストレスを感じている」が最も高いのは、86.8%の金融業・保険業です。「職場の人間関係」「地位・待遇」のストレスが高くなっています。最も低いのは、68.7%の生活関連サービス業・娯楽業です。「仕事の量」のストレスが最も高い業界は、情報通信業です。
人間関係で悩むことが多く、満足した地位や待遇が得にくいのは、金融業・保険業、仕事が忙しく疲弊ぎみなのが情報通信業と言えるかもしれません。
仕事の受け止め方
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
自身の仕事の状況をどう受け止めているかという質問です。「一生懸命働かなければならない」「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「時間内に仕事が処理しきれない」、いずれにおいてもストレスが増えた人が、高い比率を示しています。逆に、「自分のペースで仕事ができる」「職場の仕事の方針に自分の意見を反映できる」は、ストレスが減った人が、高い比率を示しています。
「~しなければならない」という気持ちが、ストレスを高めているのかもしれません。
コミュニケーション
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
ストレスが減ったまたは変わらない人は、「同僚同士のコミュニケーションが円滑である」「悩み、不満、問題を上司に伝えやすい」「悩み、不満、問題を会社に伝えやすい」が高い比率を示しています。
ストレスの緩衝要因は、上司、同僚、家族からのソーシャルサポートと言われるように、相談できる人がいると、ストレスが減ります。一方、相談できない人も一定数おり、何らかの施策を考える必要がありそうです。
相談先
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
相談できる人がいる割合は、70.1%です。家族・友人および上司・同僚が、90%以上を示しています。
社内、社外の専門家と言われる方々への相談がとても低く、何らかの改善が必要です。前述の、上司、同僚、家族に相談できない人に向けた、一つの施策になり得るかもしれません。
孤独感
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
コロナ禍を経て、孤独を感じる人が増えています。
対面での接触が減ったことが、孤独を助長していると考えられます。
希望する施策
出所:コロナ禍における職業生活のストレスに関する調査2022/連合調べ
ストレスをなくすための施策トップは、「適性な人員配置・組織体制の見直し」、次に「仕事の進め方の改善、業務配分の見直し」が続きます。
仕事に偏りがある、無駄がある、ということでしょうか。
まとめ
コロナ禍を経て、働き手のストレス変化を見てきました。全世代においてストレスを感じる人が増えている一方、対面制限により、若手には、ストレスが減っている方も一定数います。ストレスとなっているものトップ3は、人間関係、地位や待遇、仕事量です。ストレスを感じている人は、「~しなければならない」という気持ちが強い傾向があります。
ストレスの緩衝要因は、上司、同僚、家族からのソーシャルサポートと言われるように、相談できる人がいると、ストレスが減ります。実際に、相談者は上司、同僚、家族が圧倒的に多くなっています。一方、上司、同僚、家族に相談できない方もおり、社内や社外の専門家にもっと相談し易くするよう、改善が求められます。