- 人に相談できない
- 一人で悩んでいて辛い
- 職場の人には相談できない
本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。
職場での対話に関する定量調査/パーソル総合研究所によると、職場内の本音で話せる相手は、「1人もいない」が50.8%となっています。半分以上の人が、職場で本音で話せる相手はいないと答えています。多くの人が、職場で仕事の悩みを相談できる状況にはないと推測されます。
出所:職場での対話に関する定量調査/パーソル総合研究所
本記事では、仕事の悩みを一人で抱えることの問題、なぜ相談できないのか、仕事の悩みを相談できるようになる方法について解説します。

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目次
仕事の悩みを一人で抱えることの問題

仕事の悩みを相談せずに一人で抱え込むと、以下のような問題が生じます。
問題 | 説明 |
---|---|
精神的ストレスが増大する | 悩みを一人で抱え続けると、精神的なストレスが蓄積します。ストレスが慢性化すると、心身の不調を引き起こし、仕事のパフォーマンスが低下します。 |
視野が狭くなる | 他人の視点やアドバイスが得られないため、自分の考えに固執し過ぎることがあります。解決策が見つからず、悩みが長期化してしまう可能性が高まります。 |
仕事の生産性が低下する | 悩みが原因で集中力が低下し、業務効率が悪化します。モチベーションも下がり、ミスも増えます。 |
信頼関係が構築できない | 職場で誰にも相談せずに孤立すると、周囲とのコミュニケーションが減り、信頼関係の構築が難しくなります。さらに相談しづらくなる悪循環に陥る可能性があります。 |
なぜ相談できないのか

相談できない理由には、次のようなものがあります。
集団主義
近年は少しずつ変わってきていますが、日本の職場では、悩みをさらけ出すことを控える傾向があります。問題があっても、誰にも相談せず「自分で解決しなければならない」と考えます。無意識に、集団の和を乱してはいけないという気持ちが働いています。
欧米では、職場で悩みを相談することを「自分の成長のために相談するもの」と、ポジティブに捉える傾向があります。上司や同僚と率直に意見を交わし、フィードバックし合うことが当たり前です。個人主義の文化が浸透しています。
- 日本: 悩みを相談することは、周りに迷惑をかけること
- 欧米: 悩みを相談することは、自己成長や問題解決の手段
空気を読む
日本では、明確な言葉よりも、相手の表情や場の雰囲気を読んで行動することがあります。空気を読む文化が強いため、あえて言葉にして相談しなくても、理解してもらえるはずだと思いがちです。
欧米では、言葉に出さなければ伝わらないという前提があるため、悩みははっきりと言葉にします。空気を読む文化が弱いため、言語化しないと問題が解決しないと考えます。
- 日本: 悩みは相談しなくても、「分ってくれるだろう」と思う
- 欧米: 悩みは言葉に出して相談しないと、相手に伝わらないと思う
過剰に意識
日本では、仕事の悩みを相談することは、自分の能力不足をさらけ出すことになると考えます。周囲から無能だと思われるのではないかという恐れが強く、一人で抱え込んでしまいがちです。
欧米は、上司と部下の関係が比較的フラットで、部下が上司に気軽に相談しやすい環境です。意見を言うことが推奨され、良い結果を出すための過程の相談は、前向きに捉えられます。
- 日本: 悩みの相談は、ネガティブな評価につながると考える
- 欧米: 悩みの相談は、ポジティブな行動と考える
上司の見方
日本では、部下の悩み相談に対し、上司は能力が不足していると見る傾向があります。特に、年功序列が強く残っている職場では、相談は弱音を見せたと捉えられ、評価に悪影響を及ぼします。
欧米では、部下の悩み相談は、リーダーである上司の役割の一つであり、チームの成長につながると考えます。良い結果を出すために、積極的な相談が推奨されます。
- 日本: 悩みを相談することは、能力不足と捉えられる
- 欧米: 悩みを相談することは、良い結果を出すための成長の機会と捉えられる
仕事の悩みを相談できるようになる方法

日本の職場では、仕事の悩みを相談しにくい条件が揃っていることを見てきました。こうした環境で、悩みを相談することには簡単ではありません。ただ、一人で悩みを抱え込み過ぎると、ストレスから心身に悪影響を及ぼし、最悪は身体を壊すか、退職につながります。
では、どうすればスムーズに人に相談できるでしょうか。ポイントは、社内外にかかわらず、信頼できる人を見つけることです。以下に、仕事の悩みを相談する流れを示します。
- この悩みは一人で解決できるか、人に相談した方が良いか検討する
- 相談する場合は、誰が適任か検討する
- 相談するタイミングと場所を検討する
- 相談の仕方を検討する
- 相談した後にフォローする
この悩みは一人で解決できるか、人に相談した方が良いか検討する
仕事の悩みには、自分で考え解決できるものもあります。ただ、感情的に落ち込み易い方、疲弊し思い詰めていると感じる時は、人に相談することをお勧めします。切り分けは、不安、焦り、怒りなど感情が下がっているかどうかです。これは、感情が下がると、人は視野が狭くなり、合理的に物事を考えられなくなるためです。
感情が下がっている時は、人に相談する
相談する場合は、誰が適任か検討する
人に相談した方が良いと判断した場合、誰に相談するのが良いか考えます。上司、同僚、メンター、社内のカウンセラー、社外のカウンセラーなど、活用できる方を紙に書き出し、相談しやすさ、相談した際の影響、話を聞いてくれそうかなどの点から検討します。ただ、社内外問わず、自分がその方を信頼できることが最も大切です。
信頼できる方に相談する
相談するタイミングと場所を検討する
人は忙しいと、気持ちが安定しにくいため、落ち着いて相談できるタイミングや場所が必要です。相談相手がリラックスできる時間や場所を意識し、調整します。場所を社外としたり、自宅からのオンライン会議を設定したりと、工夫します。
相談相手が落ち着いて対応できるよう工夫する
相談の仕方を工夫する
相談前に、自分の考えと気持ちを紙に書いて整理します。書くことで、気持ちも落ち着き、状況を冷静に見ることもできます。要点を端的に伝え、相手の考えを尋ねます。話しているうちに感情的になることもあるかもしれませんが、信頼できる相談相手であれば、それを受け止めてくれます。安心して本音でぶつかりましょう。
事前に書いて客観視し、本音で相談する
相談した後にフォローする
相談した後は、一言お礼を述べたり、お礼のメールを送ります。これからもお付き合いしていく方なので、丁寧な態度を心がけましょう。
お礼を忘れない
まとめ
本記事では、仕事の悩みを一人で抱えることの問題、なぜ相談できないのか、仕事の悩みを相談できるようになる方法について解説しました。
仕事の悩みを相談できないのには、日本の会社特有の文化や社風がかかわっています。こうした環境で、悩みを相談することには簡単ではありません。ただ、一人で悩みを抱え込み過ぎると、ストレスから心身に悪影響を及ぼし、最悪は身体を壊すか、退職につながります。
仕事の悩みにうまく対処するポイントは、以下のとおりです。
- 感情が下がっている時は、人に相談する
- 信頼できる方に相談する
- 相談相手が落ち着いて対応できるよう工夫する
- 事前に書いて客観視し、本音で相談する
- お礼を忘れない
信頼できる人をみつけ、相談することで解決の糸口がみつかり、自分の成長にもつながります。悩みが深ければ深いほど、人は視野が狭くなるため、合理的な解決策を見つけられなくなります。相談することで、一気に視野が広がります。信頼できる方を見つけ、ぜひ体験してみてください。

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