- 就職活動で書類選考に通らない
- 面接でうまい言葉がでてこない
- 相手に伝わる説明が苦手だ
本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。
令和3年度「国語に関する世論調査」の結果の概要/文化庁において、言葉や言葉の使い方について、自分自身に課題があると思う方に対し、「自分自身に、どのような課題があると思いますか」 と聞いています。「改まった場で、ふさわしい言葉遣いができないことが多い」が63.5%で最も多くなっています。
出所:令和3年度「国語に関する世論調査」の結果の概要/文化庁
本記事では、言語化とは、言語化ができない原因、言語化ができるようになる方法について解説します。

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目次
言語化とは

言語化とは?
言語化とは、自分の考えや感情を言葉にして表現することです。漠然とした思考や感覚を言葉にすることで、自己理解が深まり、他者とのコミュニケーションも円滑になります。
例えば仕事で「モヤモヤする」と感じる場合、
- この仕事の進め方に不安を感じている
- 相手の意図がわからず、判断に迷っている
など言葉にすることで、問題の本質が明確になります。
言語化は言葉の変換だけでなく、思考の整理ができます。言語化は自己と向き合う行為で、多くのメリットがある一方、深く考えるためエネルギーを使います。
言語化が大切な理由
言語化が大切な理由には、次のようなことがあります。
理由 | 説明 |
---|---|
思考が整理できる | 言語化する過程で、自分が本当に考えていることが明確になります。人は漠然とした不安や悩みがあったとしても、多くの場合、具体的に何に不安を感じているのか分かっていません。書いたり、話したりと言葉にしていく過程で、問題の本質が分かってきます。具体的な問題が特定できると、解決策も見えてきます。 |
コミュニケーションが円滑になる | 自分の考えが言葉にできず曖昧なままだと、意図を正しく伝えることができません。言語化することで、相手に分かりやすく伝えることができ、信頼を得やすくなります。仕事でも、明確な指示や説明ができ、誤解や手戻りを減らすことができます。 |
感情が安定する | 言語化することで、感情の背後にある思考が理解できます。感情は思考の内容によって変わってきます。ポジティブな思考であれば感情が上がり、ネガティブな思考では感情が下がります。感情の背後の思考を特定することで、感情が安定します。 |
学習や成長が促進される | 学んだことを言葉にすることで、知識が定着しやすくなります。考えをアウトプットすることで、自分の理解がどこまで深まったのか確認できます。学んだ内容を他人に説明できるようになると、その内容を自分の知識として定着させることができます。 |
言語化ができない原因

言語化が苦手な原因には、次のようなものがあります。
思考が曖昧なまま
多くの場合、言語化できないのは「そもそも考えが整理されていない」ことが原因です。頭の中で漠然としたイメージはあるものの、それを具体的に考えられていません。問題を深掘りせずに考えるのをやめてしまうと、言語化の力が養われません。
思考を深める習慣がないと、感情や考えを言葉にするのが難しくなります。何かを感じても、それが何なのかを深掘りせずに放置してしまうと、いつまでも「なんとなく嫌だ」「漠然と不安」といった感覚のまま残ります。
語彙力が不足している
言語化には語彙力が必要です。言いたいことがあっても、ふさわしい言葉が見つからなければ、うまく伝えられません。感情や抽象的な概念を表現する語彙が不足していると、自分の考えを正しく伝えられません。
語彙が少ないと「すごい」「やばい」などの曖昧な表現が増え、具体的な意味が伝わりにくくなります。「あの映画はよかった」と言うだけでは何が良かったのかわかりませんが、「子役の迫真の演技に感動した」など自分の心が動いたことを言葉にすると、相手に伝わりやすくなります。
言語化の練習をしていない
言語化はスキルなので、練習する機会がないと衰えます。日頃から文章を書いたり、人と議論したりする習慣がなければ、言葉で表現する力はなかなか向上しません。
「うまく言えないから話さない」「文章を書くのが面倒だから考えたことをメモしない」といった習慣があると、ますます言語化が難しくなります。
完璧を求めすぎる
完璧に仕上げなければと思いすぎると、言語化のハードルが上がります。文章を書くのが苦手な人は、完璧な表現をしないといけないと考えてしまい、手が止まることがあります。
言語化は試行錯誤の過程です。まずは思ったことを言葉にしてみることです。
感情や思考を意識する習慣がない
感情や思考を細かく観察し、意識する習慣がないと、言語化が難しいと感じます。感情が動くときは、背後に何らか思考があります。書いたり、話したりせず、頭で考えているだけでは、本当の思考はなかなか見つけられません。
「なんとなく楽しい」「よくわからないけど嫌だ」といった曖昧な感覚のままでは、具体的な言葉に落とし込めません。日常の出来事について「なぜそう感じたのか」「どの部分が良かったのか」を振り返る習慣を持つことで、言語化能力が向上します。
言語化ができるようになる方法

PREPで考える
言語化ができるようになるには、PREPで考える習慣をつくることです。PREPとは、次の構成からなる文章です。
- P:Point 結論
- R:Reason 理由
- E:Example 具体例
- P:Point 再結論
PREPは、要旨を分かりやすく相手に伝える手法です。伝え方なので、通常は言語化できてから検討することになりますが、筆者は言語化にも使えると考えています。やり方は次のとおりです。
- 仮定の結論を設定する
- 現時点の曖昧な結論を一旦設定します。例えば「自分の価値観は、興味をもったことを、とことん追求する」とします。
- なぜそうなのか理由を考える
- どうしてそう思うのか、自分に問いかけます。例えば「分からないことをもっと知りたいという思いが強い」「多くの人が困っていることを解決したいという思いが強い」といった、気持ちが見えてきます。
- 具体的な例を想像する
- 具体的な例を想像します。例えば「仕事の悩みのベースはマインドセットにあると考え、大学院で心理学を学び始めた」「仕事の悩みを解決する小手先の手段ではなく、本質的な取り組みを紹介するブログを始めた」などです。
- 結論を再考する
- ここまでの振り返りを基に、結論を再考します。「自分の価値観は、人の困りごとを解決するために、真理は何かを追求し、より良い改善策を提示すること」となります。
1から4は、行ったり来たりします。何度か試行錯誤するうちに、結論が固まってきます。最初はなかなか言葉がでてこないと思いますが、紙に書きながら何度か繰り返すうちに、できるようになります。言語化は、誤っていても、まずは書くこと、最初の一歩がとても大切です。
言語化できるようになるには、間違ってもよいので、とにかく書いてみること
PREPを考えるために、日頃からできる練習
PREPを考えるのは、最初は時間がかかり、なかなかうまくいかないかもしれません。日頃からコツコツと練習することが大切です。
方法 | 内容 |
---|---|
読む | 本、雑誌、新聞を読むことをお勧めします。文章を読むことで、新しい言葉や表現を学ぶことができます。読書は楽しいものですが、本当に面白いと思えないと長続きしません。お勧めは、図書館を利用し小説を読むことです。自分が面白いと感じる作家に出会えるまで、いろいろな作家の本を借りて試し読みします。楽しみながら言語化も鍛えられます。 |
調べる | 文章を読んでいると、知らない言葉に出会うことがあります。面倒なので、つい雰囲気で解釈したり、こうかなと勝手な想像で済ませたりします。日本語は母国語なので、日常生活では辞書を調べることはありませんが、正しい言葉の定義を知らなかったり、誤って使っているケースがあります。今はネットで簡単に調べられますので、ちょっとでもひっかかる言葉がでてきたら、調べるようにします。この一手間で、次から自然に使えるようになります。 |
書く | 次は書く練習です。書く行為はエネルギーを消費します。頭の中で、文章を練り上げ、書きだし、書いた文を読んで、文章を練り直す、この繰り返しです。書くという行為は文章を作成するものですが、同時に思考も整理されます。日記、メモ、ブログ、何でもよいので、一文から書く習慣をつけることをお勧めします。 |
話す | 最後は話すです。会話、飲み会、打合せ、会議、どんな場でもよいので、話す機会をたくさんもつことです。特にお勧めは、会議での発言です。会議は、仕事や自治会など公式な場となりますので、多少の緊張感もあり、言語化を鍛える練習になります。会議では、必ず一つは質問や意見をするようにします。分かりやすく、論理的に、端的に伝えることを意識することで、言語化の練習になります。 |
まとめ
本記事では、言語化とは、言語化ができない原因、言語化ができるようになる方法について解説しました。言語化とは、自分の考えや感情を言葉にして表現することです。
言語化できない原因には、次のようなことがあります。
- 思考が曖昧なまま
- 語彙力が不足している
- 言語化の練習をしていない
- 完璧を求めすぎる
- 感情や思考を意識する習慣がない
言語化するためには、次のPREPで考えることが有効です。
- P:Point 結論
- R:Reason 理由
- E:Example 具体例
- P:Point 再結論
1から4は、行ったり来たりします。何度か試行錯誤するうちに、結論が固まってきます。最初はなかなか言葉がでてこないと思いますが、紙に書きながら何度か繰り返すうちに、できるようになります。
言語化は、誤っていても、まずは書くこと、最初の一歩がとても大切です。ぜひ試してみてください!

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