仕事と生活の調和した働き方とは?会社員がワークライフバランスを確保する方法

個人のお客様ーキャリア

  • このまま仕事優先でいいのか悩んでいる
  • このまま趣味優先でいいのか悩んでいる
  • 仕事と生活のバランスに悩んでいる

本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。

「長時間労働などワーク・ライフ・バランスをめぐる現状」厚生労働省において、長時間労働者ほどワーク・ライフ・バランスが実現されていないことが示されています。また、共働き世帯は専業主婦世帯より夫・妻の感じるストレスが強くなっています。

出所:「長時間労働などワーク・ライフ・バランスをめぐる現状」厚生労働省

本記事では、ワークライフバランスを整える働き方とは、仕事と生活の両立が難しい理由、ワークライフバランスを確保する方法について解説します。

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ワークライフバランスを整える働き方とは

ワークライフバランスの定義

ワークライフバランスとは、仕事と生活を調和させ、どちらにも十分な時間とエネルギーを注ぐことができる状態です。個人が働きがいを感じながら、私生活の充実をはかれる働き方です。

平成19年、国は「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しました。憲章では、仕事と生活の調和が実現した社会を、次のように定義しています。

国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会

     

国は、働き方改革を推進し、企業に対して労働環境の改善を求めています。2019年に施行された「働き方改革関連法」では、時間外労働の上限規制や年次有給休暇の取得義務化が盛り込まれました。企業には労働者のワークライフバランスを考慮した柔軟な働き方の推進が求められています。

ワークライフバランスの基礎は家庭生活

『家庭と仕事の心理学 ー子どもの育ちとワーク・ライフ・バランスー/尾形和男』では、次のように述べています。

夫が仕事と家庭の両方に関わっている場合や、家庭・仕事・余暇時間・地域全てに関わっている場合の方が、夫婦関係についての満足度が高く、夫婦のストレスが低いことが示されています。同様に共働き家庭でも夫婦が揃って家庭関与を中心として生活する場合に家庭に良い影響をもたらすことが示されています。つまり、仕事へ傾倒した家庭生活は家庭にマイナスの影響をもたらすことはあっても、プラスの影響をもたらすことは少ないことが示されています。

・・・

家庭生活を中心として仕事や余暇活動、地域への関わりなどに生き生きと関わることが重要なことのようです。ワーク・ライフ・バランスとはいってもつまるところ、家庭生活が重要ということが分ります。

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夫が妻とのコミュニケーションを多く取り、妻のストレスが低い場合、子どもの社会性の発達が良好であることが示されています。

*太字は筆者
出所:家庭と仕事の心理学 ー子どもの育ちとワーク・ライフ・バランスー/尾形和男

ワークライフバランスは、家庭生活が重要です。家庭生活を重視した夫婦は、全てのことに生き生き関わることができます。妻のストレスが減り、子供の社会性の発達にも好影響を及ぼします。仕事、趣味、地域活動の前に、まずは家庭生活です。

コーチ
伊集院

ここまで記事を書きながら、「自分はできていなかったなー」と痛感しました。筆者はワーク中心の仕事をおくり、家庭は妻に任せきりでした。家庭生活を大切にできていませんでした。(一応心では大切にしていたつもりです。。。)自分のダメな経験が、参考になる方もいるかもしれないと思い書いています😓

    

『夫婦関係満足度とワーク・ライフ・バランス 季刊家計経済研究/山口一男』では、次のように述べています。

休日は「くつろぎ」「家事・育児」「趣味・娯楽・スポーツ」、平日は「食事」「くつろぎ」などの夫婦の共有生活時間数と夫の育児分担など、夫婦の共有するワーク・ライフ・バランスに関連する変数が夫婦関係満足度に影響する。

・・・

夫婦関係満足度は仕事に影響をもたらすので、夫婦を中心とする家族構成が自ら積極的・自主的にワーク・ライフ・バランスに関わる生活を夫婦相互の関わりの中で形成する必要がある。

*太字は筆者
出所:夫婦関係満足度とワーク・ライフ・バランス 季刊家計経済研究/山口一男

夫婦の共有するワークライフバランスが、夫婦関係満足度に影響を与え、夫婦関係満足度は仕事に影響をもたらすため、夫婦を中心とするワークライフバランスが大切とのことです。夫婦で過ごす時間や家事の分担が、夫婦関係満足度に影響します。

ここから言えるのは、次のことです。

夫婦が共同作業や余暇を通じて仲良くすることが、家庭生活を良くし、仕事や生活に好影響を及ぼす

  

コーチ
伊集院

夫婦で過ごす時間をもち、家事を分担し、夫婦仲良くすることが大事というのは、個人的にも分かる気がします。つい、仕事ばかりしたり、自分の趣味にばかり時間を割いたり、配偶者は後回しになったりします。できていなかった過去を思い出すと凹みますが、今この瞬間から始めます😓

仕事と生活の両立が難しい理由

ワークライフバランスの基礎は、家庭生活を大事にすることです。今なお日本の会社員の働き方は、家庭生活が二の次になりがちです。

長時間労働の文化

日本では、長時間労働が評価される風潮が根強く残っています。遅くまで働くことが会社への貢献という考え方がいまだに多くの企業にあり、短時間で成果を出しても評価されにくいところがあります。従業員は私生活よりも、仕事を優先する意識に向きがちです。

仕事の責任とプレッシャー

職場によっては、一人ひとりに課される業務量が多く、十分な休息を取る余裕がないことがあります。責任の重い仕事を任されている場合、休日やプライベートの時間でも、仕事が気になってしっかり休養をとれないという人もいます。

育児や介護に対する理解不足

育児や介護を担う人にとって、仕事と家庭の両立は大きな課題です。保育園や介護施設の利用時間と勤務時間が合わない、職場の理解が得られないなどの理由で、ワークライフバランスが崩れやすくなります。

自分自身の価値観や意識

仕事にやりがいを感じる人ほど、無意識のうちに長時間働きがちです。ワークライフバランスの重要性を認識していない人は、忙しいのは当たり前、休むことは甘えという意識を持ちがちです。

コーチ
伊集院

筆者は上記のすべてに当てはまっていました。😓家族や周りの方に感謝しかありません。。。

ワークライフバランスを整える方法

海外の事例

『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか/堀内都喜子』に、次の記載があります。

フィンランド人は「人は人、自分は自分。既定の時間数を働いたら帰るのは当然」と考えていて、誰かの顔色をうかがう様子は見られない。

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フィンランドの友人と仕事の話をしていた時、効率アップのカギとして真っ先にあげたのがコーヒー休憩だった。「職場でのコーヒー休憩は本当に大切だと思うの。なんてったって法律でも決められているぐらいでしょ。脳にも時には休みが必要。いい息抜きになって、休憩の後は仕事に精力的に向き合える」と話していた。

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フィンランド人からすると挨拶だけの面談はいらないし、報告も基本メールか電話にしてほしいと考える点だ。

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フィンランドの仕事の文化を語る上で、欠かせないキーワードは「ウェルビーイング」(well-being)だ。フィンランド人はウェルビーイングという言葉をよく使い、重視する。ウェルビーイングとは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念だ。

*太字は筆者
出所:フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか/堀内都喜子

フィンランド人の働き方について紹介しました。フィンランド人は、人は人という考え、挨拶だけの面談はいらない、ウェルビーイングを重視する、ということです。日本もだいぶ変わってきましたが、なかなか人は人と割り切れません。もちろんフィンランド人の働き方にも課題はあると思いますが、日本を客観的に見るヒントになります。

  • 人は人、自分は自分
  • 職場でのコーヒー休憩は法律で決められるほど大切
  • 挨拶だけの面談はいらない
  • ウェルビーイングを重視
コーチ
伊集院

人は人、自分は自分という思考は、安定した精神を保つためにも必要だと思います。人のことを気にしていては、何もできないし、悩むだけでいいことはありません。筆者も、近所、親戚、親子でも、できることまでやったら、あとは”人は人”と思うようにしています。

ワークライフバランスを確保する方法

個人がワークワイフバランスを確保する方法です。

施策説明
自分のストレスを察知するストレスが溜まると、配偶者や子どもに、優しく落ち着いた態度がとれなくなります。自分のストレスを察知し、早めに対処することが大切です。ストレスを感じるには、自分の感情を意識することです。次のような感情が下がった状態は、ストレスが溜まっているアラームですので、早めに休息をとります。
・小さなことにイライラする
・笑顔が少なくなる
・考え事をしていて相手の話が入ってこない
仕事→家庭の間に小さなリフレッシュをいれる仕事が終わり、家庭生活に入る間に、小さなリフレッシュを入れます。タイミングは、自分のストレスを感じた時です。リフレッシュ法は、小さくお金のかからないもので、日ごろから自分なりのレパートリーを集めておきます。例えば、以下のようなものです。
・マクドナルドで1杯のコーヒーを飲んで帰る
・一つ手前の駅で降り、歩いて帰る
・漫画喫茶で、お気に入りの漫画を1冊よむ
・デパートの地下で、小さいお土産を買ってかえる
・夜の銀座を散歩してかえる
うまくいったらラッキーと考えるつい「失敗してはダメ」「やったことは成功させる」と思いがちですが、冷静に考えてみると、多くのことは100%うまくいくことはありません。野球の打率と同じで、3割が最高で、そこを目指すぐらいの気持ちで取り組むとちょうど良いです。「だめもとだ、うまくいったラッキー」と常に自分に言い聞かせていると、思考が変わっていきます。
仕上がったら、一日おいて見直し完了仕事を抱えすぎると、迷路にはまり、疲弊します。ある仕事が仕上がったら、一日おいて確認することで、新たな気づきがあります。これで70~80点はとれるレベルに達します。これ以上は、かける時間に対する効果が下がるため、とても非効率です。一日おいて見直したら、抱え込まず、完了としましょう。
休息時はPCやスマホをオフにする仕事終了後や夜間は、PCやスマホをオフにします。緊急時に備え、スマホはオンにして、別の部屋に置いておくのも有効です。何かを気にしていると、心が休まりませんので、気になることから意図的に離れるようにします。
常に機嫌よくなるために生活習慣を整える仕事や生活をうまくいかせるには、常に自分の機嫌をよい状態に保っておくことが大切です。そのためには、睡眠を十分とり、適度な運動をして、ゆっくり休む生活習慣を身につけることです。
・早寝早起きを習慣化し、睡眠時間を確保する
・歩くなど、毎日の生活に適度な運動を取り入れる
・読書など、リラックスできる時間をもつ
コーチ
伊集院

上記は、実際に筆者が取り組み、今でも続けていることです。特に、自分のストレス察知は、効果があると感じます。ちょっとしたことにイラッとしている自分に気づいたら、「今日は疲れてる」、「家族とややこしい話はしないようにしよう」、「早く寝よう」のような感じで、衝突を避けるようにしています。

   

まとめ

本記事では、ワークライフバランスを整える働き方とは、仕事と生活の両立が難しい理由、ワークライフバランスを確保する方法について解説しました。

ワークライフバランスのスタートは、家庭生活です。夫婦が共同作業や余暇を通じて仲良くすることが、家庭生活を良くし、仕事や生活に好影響を及ぼします。

自分の機嫌をいつも良い状態に保つよう心掛け、疲れた時やストレスがたまった時は自分の感情の変化に気づき、家族と衝突する前にリフレッシュすることです。

最後に、『家庭と仕事の心理学 ー子どもの育ちとワーク・ライフ・バランスー/尾形和男』から、ワークライフバランスの影響の大きさについてです。

  • ワークライフバランスは、新しい生活観、価値観を生み出す
  • ワークライフバランスは、子どもの発達にも影響を及ぼす

ワーク・ライフ・バランスは単に生活と仕事のバランスをとるということ以上に新しい生活観、価値観を生み出し人間としての生き方に大きな変革と魅力をもたらすものと考えられます。

・・・

夫としてのワーク・ライフ・バランスは夫個人の問題に留まらず、妻や子どもの成長・発達にも大きな影響をもたらすものであり、親としての働き方そのものの重要性を包含するものです。その一方で、職業人として、自分の人生の送り方、生きるということそのものの追求の意味も含むものであり、私たち人間にとってワーク・ライフ・バランスの持つ意味の深さや重要性が改めて理解できることと思います。

出所:家庭と仕事の心理学 ー子どもの育ちとワーク・ライフ・バランスー/尾形和男
コーチ
伊集院

頑張る時はがんばるけど、いつもは無理しないバランスの良い生活を心がける、これがワークライフバランスを維持する秘訣だと思いました。

参考文献

  • 『家庭と仕事の心理学 ー子どもの育ちとワーク・ライフ・バランスー』/尾形和男/2018年3月31日/株式会社風間書房
  • 夫婦関係満足度とワーク・ライフ・バランス 季刊家計経済研究/73, 55-60/山口一男/2007年
  • フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか/堀内都喜子/2020年1月24日/株式会社ポプラ社

  

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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