人的資本経営、多くの企業がパーパスを明確化。具体的な取り組みは?

法人のお客様ー人的資本経営

国をあげて人的資本経営や人への投資が推進されています。多くの経営層も、今後は「人的資本経営」が重要と考えており、パーパスの明確化に取り組んでいます。一方、変化の必要性は認識していますが、具体的に何をすればよいのか模索しているようです。縮小均衡ではなく、拡大均衡の発想が求められます。

「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所は、経営層の「人的資本経営」の推進に対する意識や取り組み状況を調査しています。本資料を基に、経営層の「人的資本経営」への向き合い方を見ていきます。

     

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重要施策トップは効率化、ビジネスモデルの改革はその半分

【設問:あなたが最も重要と考える施策を1つお選びください。】

経営層が考える重要施策のトップは、「業務の効率化による生産性の向上」37.8%です。「現在のビジネスモデルの根本的改革」は、半分以下の15.4%となっています。

業務の効率化は常に大事ですが、停滞を打破するにはビジネスモデルの改革が求められます。日本の労働時間は減少していますが、生産性は低いままです。縮小均衡から拡大均衡への転換が必要なのではないでしょうか。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

「パーパスの明確化」に取り組む

【設問:経営戦略の策定や実行に関するあなたの取り組み状況をお聞かせください。】

最も取り組んでいる経営戦略は、「企業理念、パーパスの明確化」です。「目標(KPI)の達成状況のモニタリング」は、50%以下となっています。

「企業理念、パーパスの明確化」は、昨今のエンゲージメントスコアを気にする風潮も影響しているかもしれません。実行→改善→見直しは必須です。本気度が問われます。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

今後の重要施策は「人的資本経営」

【設問:今後の経営戦略上、あなたが重要と考える施策について教えてください。】

今後の経営戦略上、最も重要な施策は、「人的資本経営(人材投資)」です。経営層は人材投資が、今後最も重要な施策と考えています。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

人材アジェンダは特定、実践はこれから

【設問:人材マネジメントに関するあなたの取り組み状況をお聞かせください。】

「経営戦略の達成上重要となる人材アジェンダ(課題)の特定」ができている企業は、約35%です。制度の構築や投資ができている企業は、約30%に留まっています。人材投資は重要だが、実践はこれからといったところです。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

望ましいのは「ジョブ型、メンバーシップ型の混在型」

【設問:あなたが自社で望ましいと考える雇用形態を1つお選びください。】

自社にとって望ましい雇用形態は、「ジョブ型、メンバーシップ型の混在型」43.2%です。「ジョブ型雇用」は、26.2%です。

経営層が考える雇用形態は、ジョブ型とメンバーシップ型の混在型ですが、ジョブ型に近い志向のようです。完全なメンバーシップ型を志向する経営層は、減ってきています。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

今後の重視する施策は「新卒の定期採用」?

【設問:あなたが、今後重視したい人事施策についてお尋ねします。】

今後の重視する施策は、「新卒者の定期的採用」35.2%がトップです。「中途採用者の活用」が、18.8%です。

人材投資は重要としながら、施策として考えていることは、これまでと変わりません。具体的に何をすれば良いのか模索しているのかもしれません。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

リーダーシップが求められる経験が役立つ

【設問:あなたが今の立場(経営層)に至るまでに役に立った「経験」についてお聞かせください。】

自身が経営層になるまでに役立った経験です。トップは、「新規事業の立ち上げ経験」「部門横断型のプロジェクトのリーダー経験」です。いずれもリーダーシップが強く求められる経験です。

出所:「人的資本経営・DXに関する役員の意識調査」/産業能率大学総合研究所

まとめ

経営層の「人的資本経営」に対する向き合い方を見てきました。主なポイントは以下のとおりです。

  • 重要施策トップは効率化、ビジネスモデルの改革はその半分
  • 「パーパスの明確化」に取り組む
  • 今後の重要施策は「人的資本経営」
  • 人材アジェンダは特定、実践はこれから
  • 望ましいのは「ジョブ型、メンバーシップ型の混在型」
  • 今後の重視する施策は「新卒の定期採用」?
  • リーダーシップが求められる経験が役立つ

多くの経営層は、「人的資本経営」が重要と考えており、現在パーパスの明確化に取り組んでいます。一方、変わる必要性は認識していますが、具体的に何をすればよいのか、模索しています。停滞を打破するには、効率化からビジネスモデルの改革、縮小均衡から拡大均衡を目指す経営が求められます。人への投資には、経営層への投資も含まれます。

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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