コーチングを受けたい。事前に知っておきたいこと

個人のお客様ーレジリエンス

  • コーチングに関心があるけどよく分からない
  • コーチングで何が得られるのか分からない
  • どのコーチが良いのか分からない

本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。

「コーチング」言葉はよく聞くようになりましたが、日本ではまだ浸透しているとは言えません。「ビジネスコーチングに関する調査/35 CoCreation合同会社」によると、ビジネスコーチングを受けたことがある会社員は、約27%(1~3回、4回以上の合計)で、約70%の方がビジネスコーチング未経験です

*ビジネスコーチングとはビジネスに特化したコーチングです。

出所:ビジネスコーチングに関する調査/35 CoCreation合同会社

本記事では、コーチングを受けることに関心を持たれている方向けに、コーチングとは、コーチングを受ける時の留意点、コーチの選び方、コーチングの効果について解説します。

  

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コーチングとは

コーチングのかかわり方

早速ですが友人に仕事を悩みを相談し、次のようなアドバイスをもらったことはありませんか?

仕事の悩みを相談したところ、今の職場みたいなところ他にないよと、かえされる。

   

あるいは、次のようなことはいかがでしょうか?

仕事の悩みを相談したところ、転職エージェントを促される。

   

いずれのケースも相談した方は、「相談しなければよかった」と思うかもしれません。

コーチングでは次のような受け応えになります。

話を受けとめてもらい、安心する。

この人には話ができそうだと思う。

次第に内省が進んでくる。

  

相談者にアドバイスするのではなく、相談者本人が自分に向き合い、考えが深まるようなかかわりを行います。簡単な説明ですが、少しコーチングのイメージがつかめましたでしょうか。

コーチングとは?

コーチングとは、相手の潜在能力を引き出し、自発的な行動を促すための方法論です。コーチは質問を投げかけたり、フィードバックを提供したりすることで、クライアント(コーチングを受ける人)が考えや行動を深く掘り下げ、解決策を見つけ出すのを助けます。

コーチングはアドバイスや指導ではなく、クライアント自身が答えを見つけ出すサポートです。クライアントは内省を通じて答えを見つけます。コーチの傾聴や問いかけがクライアントの内省を促します。内省について詳しくはこちらのブログをご覧ください。

コーチングの流れ

多くのコーチングは以下の流れで実施されます。時間は30分~60分です。2週間または月一回のペースで、3~6ヶ月の間、面談を実施します。

  1. 安心して話せる場所を確保する(オンライン含む)
  2. コーチの問いかけに沿って、クライアントは次のことを実施する
    • 現状を話す
    • どうなるといいかを考える
    • 異なる考えに気づく
    • どうすれば良いかを考える
  3. セッションを振り返る
    • コーチとクライアントでセッションを振り返る
    • クライアントが具体的に行動できることを考える

コーチングを受ける時の留意点

コーチングを受けるタイミング

コーチングを受けるタイミングは「変化」の時です。変化を求めている場合と、変化を強いられる場合があります。変化に対処するためには、自分の「思考」「感情」「行動」を変える必要があります。独りで変化に対応するのは容易ではないため、コーチングを受けるタイミングです。

例えば、次のようなケースが該当します。

ケース説明
目標達成を目指す目標達成を目指している時のコーチングは非常に効果的です。具体的な目標に向け計画を立て、実行する際にコーチのサポートを受けることで、効率的に目標に近づくことができます。
キャリアの転機キャリアの転機や転職を考えている時も、コーチングは有益です。新しいキャリアパスを模索する際に、コーチの視点を借りて自己分析を行い、自分に最適な道を見つける手助けをしてもらうことができます。
リーダーシップスキルの向上リーダーシップポジションに就いている場合、リーダーシップスキルの向上を目指してコーチングを受けることが有効です。コーチングを通じてリーダーシップスタイルを見直し、チームを効果的に導くための新しいアプローチを学ぶことができます。
ライフバランスの改善仕事とプライベートのバランスを取り戻したいと考えている時にも、コーチングは役立ちます。自分の価値観や優先順位を明確にし、より満足度の高い生活を送るための戦略を立てることができます。

主体はクライアント

全てのコーチはクライアントに対し、次のような想いを持ちコーチングを提供しています。

全ての人は無限の可能性を持ち、自分で答えを見つけ出せる

    

クライアントには、変わりたいという気持ちを持つこと、自ら変わる勇気を持つことが求められます。コーチングはクライアントとコーチとの共同作業です。コーチに依存し過ぎず、クライアントは自分が主体ということを意識する必要があります。

コーチングを受ける前にやること

クライアントはコーチングを受ける前に、次のことをやることで、コーチングの効果を高めることができます。短時間でよいので、コーチング前に考える時間をとります。

  1. 目標の明確化
    • 目標を明確にします。何を達成したいのか、どのような課題を解決したいのかを具体的にリストアップすることで、コーチに対しても明確な指針を示すことができます。
  2. 自己分析
    • 簡単な自己分析を行い、自分の強みや弱み、価値観、過去の経験などを振り返ってみます。コーチングでより深い洞察を得ることができます。
  3. 期待値の設定
    • コーチングから何を期待するかを事前に考えます。現実的な期待値を設定することで、コーチングの成果を正確に評価することができます。
  4. コミュニケーションの準備
    • オープンなコミュニケーションを心がけます。コーチに対して正直で率直なフィードバックを提供することで、より有益なセッションが実現します。

   

コーチの選び方

他の対人支援との相違

他の対人支援サービスとコーチングの位置づけは次のようになります。重なる部分もありますが、分かりやすくするために主な特徴を基にまとめました。コーチングは個人の発展を意図した取り組みです。

コーチの選び方

コーチングを受けたいと思っても、どのコーチを選べばよいか多くの人が迷います。次のような確認点を基に、コーチを選びます。

確認点説明
資格と経験コーチの資格と経験を確認します。資格が全てではありませんが、一定のハードルをクリアしているため、選択の一つになります。コーチの経験年数や過去の事例も確認が必要です。
コーチとの相性コーチとの相性が自分に合っているかを見極めます。相性は意外と大事です。これは実際に会って話してみないとわかりませんので、お試しセッションを利用して確認します。
専門分野と知見目標やニーズに合った専門分野のコーチを選ぶこともポイントです。ブログや記事を読み、コーチの専門領域を確認すると同時に、知見を判断します。
レビューと推薦他のクライアントからのレビューや推薦も参考になります。オンラインレビューや、友人や同僚からの推薦を通じて、信頼できるコーチを見つけます。

     

当社は、3~6ヵ月のコーチングを受けていただいた後、ノートを使った「じぶんコーチング」が習得できるプログラムを提供しています。コーチがいなくとも、悩みがある時、問題が発生した時などに、一人でいつでもコーチングが実施できます。詳しくはこちらをご覧ください。

コーチングの効果

クライアントの反応

ビジネスコーチングに関する調査/35 CoCreation合同会社」によると、コーチングが役に立ったと思う人は、「役に立った」「やや役に立った」を合わせて59%となっています。半数以上の方がなんらか役に立ったと思われていますが、まだまだ改善の余地がありそうです。

出所:ビジネスコーチングに関する調査/35 CoCreation合同会社

コーチングが役に立ったと思う理由のトップ3は、①組織の人に話せないことが話せた②新しい気づきがあった・客観的な意見を得られた③セッション後、成果につながった、となっています。成果につながったは30%強と、こちらもまだ改善の余地がありそうです。

出所:ビジネスコーチングに関する調査/35 CoCreation合同会社

クライアントが得られる効果

コーチングを通じクライアントは、自分のことが良く分かり、思い込みにも気づき、新しいことに挑戦できるようになります。主な効果を以下に記載します。

  1. 自己認識の向上
    • 自分自身に対する理解が深まります。自分の強い点、弱い点が分かり、弱点も受け入れられるようになります。
  2. 思考の変容
    • 自分を客観視でき、思い込みや固定観念に気づけるようになります。恐怖心が下がり、新しことに挑戦できるようになります。
  3. ストレスコントロール
    • ストレスコントロールができるようになります。ストレスが溜まる前に、効果的な対処を実施できるようになります。
  4. 行動変容
    • 考えていることを行動に移すことができるようになります。行動に対するネガティブ意識が下がります。
  5. 目標達成
    • コーチの伴走により、目標が達成しやすくなります。コーチング後も、独りで自走できるようになります。

  

コーチングにより自己肯定感を上げることができます。自己肯定感については、こちらをご覧ください。

まとめ

本記事では、コーチングを受けることに関心を持たれている方向けに、コーチングを受ける時の留意点やコーチの選び方などついて解説しました。コーチングとは、相手の潜在能力を引き出し、自発的な行動を促すための方法論です。コーチングはアドバイスや指導ではなく、クライアント自身が答えを見つけ出すサポートです。

全てのコーチはクライアントに対し「全ての人は無限の可能性を持ち、自分で答えを見つけ出せる」という想いでコーチングを提供しています。クライアントには、自ら変わる勇気を持つことが求められます。コーチに依存し過ぎず、クライアントは自分が主体ということを意識する必要があります。

「変わりたい」「変わらないといけない」と思われている方は、ぜひ一度コーチングをご検討ください。良いコーチとの出会いが、人生を変えます。(大げさに聞こえるかもしれませんが本当です)多くの方がコーチングを通じて、豊かな人生を手に入れられることを願っています。

参考文献

コーチングのすべて その成り立ち・流派・理論から実践の指針まで/ジョセフ・オコナ―、アンドレア・ラゲス、杉井要一郎(訳)/2012年10月30日第1版/英治出版株式会社

   

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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