- 仕事でモチベーションが上がらない
- 何に対してもモチベーションがわかない
- 意欲がなく、何をやってもうまくいかない
本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。
『2024年版 ギャラップ職場の従業員意識調査:日本の職場の現状』において、日本の従業員エンゲージメントは6%です。従業員エンゲージメントは、従業員の仕事や職場への関与と熱意を反映した数値です。世界の平均が年々上昇し23%まできているのに対し、日本は停滞しています。
出所:2024年版 ギャラップ職場の従業員意識調査:日本の職場の現状
本記事では、仕事のモチベーションとは、仕事のモチベーションが上がらないケース、仕事のモチベーションの上げ方について解説します。

「メタ認知力をつけ活き活き働く」ヒントを、ほぼ週次でお届けします。新着ブログやKindle本もご案内します。
ご登録いただいた方には、Kindle本「人に仕事を振ることができない人ができるようになった話」を無料プレゼント中!
目次
仕事のモチベーションとは

仕事のモチベーションとは、業務に対する意欲です。モチベーションには、脳で生成されるホルモン、ドーパミンの分泌がかかわっています。ドーパミンは「やる気」や「快楽」と深く関わる神経伝達物質であり、次のような働きをします。
- 意欲の形成や維持を助ける
- 快感や多幸感を得る
- 運動調整に関連する
ドーパミンは、期待や報酬予測、達成感を感じるときに分泌されます。仕事のモチベーションは、達成感や仕事の意義を実感することで生まれます。 その動機には、次の二つの種類があります。
- 外発的動機:給与や昇進、評価、周囲の期待など外部要因から生まれる気持ち
- 内発的動機:仕事そのものに対する興味や楽しさ、成長意欲など自分の内側から出てくる気持ち
人はこの二つの動機をバランス良く感じながらモチベーションを高めています。外発的動機は、短期的には有効ですが、慣れにより効果が弱まります。金銭報酬は一時的にモチベーションを高めますが、長期的には内発的動機を低下させます。
内発的動機は、長期間の継続が可能で、本人の価値観が変わらない限り効果は持続します。内発的動機は、自分で選択できる環境や他者からの寄り添ったかかわりなどを通じて高まることが分かっています。仕事のモチベーションを上げるには、内発的動機を育てることが大切です。
仕事のモチベーションが上がらないケース

よく見られる仕事のモチベーションが上がらないケースです。
ケース | 説明 |
---|---|
仕事の目標や意義が見えない | 仕事の目的や意義が感じられないと、やる気が湧きにくくなります。「なぜこの仕事をしているのか分からない」「会社の方針と自分の価値観が合わない」など、仕事に興味を持てない場合や関心のない仕事に従事している場合にみられます。 |
成果が実感できない | 仕事の結果が見えにくいと、達成感を得にくく、モチベーションが低下します。「自分の仕事が会社や社会にどう貢献しているのか分からない」「努力しても評価されない」など、自分の働いた結果がどう貢献できているのか分からない場合にみられます。 |
人間関係の問題 | 職場の人間関係が良好でないと、働く意欲が削がれます。「上司や同僚とうまくいかない」「過度な競争や派閥争いに巻き込まれている」など、人間関係の悪化が続くと仕事の意欲を低下させます。 |
仕事の内容が単調・退屈 | 工夫の余地がなく、毎日同じ業務の繰り返しだと、飽きてしまいモチベーションが下がります。「ルーチンワークばかりで成長を感じられない」「クリエイティブな仕事ができない」など、自分の考えを反映できない場合、やる気を失います。 |
過度なストレスやプレッシャー | 過度なストレスがかかると、心身ともに疲弊し、やる気が削がれます。「仕事量が多すぎて余裕がない」「ミスが許されない環境で緊張しすぎる」など、強すぎるプレッシャーや疲労がたまると、活力を失います。 |
評価や報酬への不満 | 頑張っても正当な評価が得られないと、やる気が失われます。「昇給・昇進の基準が不透明」「上司が評価してくれない」など、評価が不透明または正当でないと感じると、不信感からやる気を失います。 |
仕事のモチベーションの上げ方

内発的動機は、自分の意志で取組み、うまくできていると思える時に高まることが分かっています。自立性と有能感です。自分の関心に沿ってどんな仕事がやりたいかを考え、決定し、行動します。そのためには、以下のステップで考えることが必要です。
- 自分は何に関心があるのか
- どんな仕事が当てはまるのか
- その仕事を実現にするには
自分は何に関心があるのか
自分は何に関心があるのかを知るには、自分に向き合うしかありません。情報取集は必要ですが、人に聞いたり、人気の仕事を調べたりしても、見つかりません。自分に向き合うには、内省が必要です。内省により、自分はどういう状態でいるときに居心地の良さを感じるか、自分はどんな時に活き活き動けているかを理解できます。
内省に近い用語として反省があります。内省は感情に焦点をあて心の動きや思考を振り返りますが、反省は行動や結果を振り返ります。二つの違いは、次のとおりです。
項目 | 内省 | 反省 |
---|---|---|
目的 | 自分自身を理解すること | 自分自身を改善すること |
主に振り返ること | 心や思考 | 行動や結果 |
対象となる事象 | 過去・現在・未来 | 過去 |
内省は、次の手順で実施します。
- 場所を確保する
- 自分が一番落ち着ける場所を見つけます。静かで心地よい喫茶店や図書館がお勧めです。
- ノートとペンを用意する
- 落ち着ける場所に移動し、ノートとペンを用意します。形式ばらず自由に書きますので、100円ショップで手に入るものがお勧めです。
- 頭に浮かんだことを書きだす
- すっーと頭に浮かんできた言葉やイメージを文字にします。「フー」でもよいですし、「つかれたー」でもよいので、考えずに心の声を受けとめ書きだします。
- 続けて浮かんできたことを書きだす
- 自分の感じていることに意識を集中すると、次第に言葉が浮かんできますので、その言葉を書きだします。これが自然にできるようになってきたら、”自分は何に関心があるのか”について自分に問いかけます。
- ”自分は何に関心があるのか”問いかける
- 自分が関心があると少しでも思うことを、ノートに書きだします。イメージ、環境、ありたい姿など思い浮かんだことを自由に書き出します。
- 一日おいて書き出したことを眺める
- 自分が書いたことを日を改めて眺めます。「これはちょっと違うな」「これはそうだな」と、昨日とは違う視点で見ることができます。
- 納得感が得られるまで続ける
- ここまでの作業を「これだ!」と思えるまで続けます。一週間で終わる人もいるかもしれませんが、筆者のように一年かかるかもしれません。(苦笑)
関心は人の数ほどあると言っても過言ではありません。仕事に関すること、仕事と環境に関すること、複数のことなど、組み合わせも様々です。以下は、関心の例です。
- 自分で決めて動きたい
- 指示を受けるのではなく自由にやりたい
- 文章を書く仕事がしたい
- 人と接する仕事がしたい
- 英語を使う仕事がしたい
- 海外で働きたい
- 手順の決まった仕事をしたい
- 自然の中で暮らしたい
- できるだけ自分の時間を持ちたい
- 深く考える仕事がしたい
- 人をサポートする仕事がしたい
- チームで力を合わせ働きたい
どんな仕事が当てはまるのか
自分が関心あることが分かったら、どんな仕事であれば当てはまるのか考えます。いくつか事例をご紹介します。
筆者の事例
- 関心
- 自分で決めて働きたい
- 人の育成に寄与したい
- 困りごとの解決策を見出したい
- 当てはまる仕事
- 55歳になったところで、人材育成コーチとして独立
Aさんの事例
- 関心
- 夏涼しい環境で暮らしたい
- 自然に囲まれた大きな家で暮らしたい
- 自営がしたい
- 当てはまる仕事
- 会社員を数年続けながら準備し、将来は避暑地でペンション経営
Bさんの事例
- 関心
- 人の役に立つ仕事がしたい
- 官僚的ではない、自由な環境で働きたい
- 専門能力(英語、金融)を活かした仕事がしたい
- 当てはまる仕事
- 転職活動を経て、改めて今の仕事や職場の魅力に気づき、現職のコンサルタントを続ける
文字にして、当てはまりそうな仕事を考えることで、アイディアが思い浮かんできます。ただ、実際に価値観と関心だけで決まるものではありません。仕事を始めるハードル、生活していけるかの検証、うまくいかなかった場合のバックアッププランも考える必要があります。感情と論理のバランスです。
ここまで突き詰めて考えることで、楽ではないが楽しい仕事に巡り合うことができます。
- 関心の条件にあてはまる仕事を洗い出す
- 仕事以上に、環境を重視する
- 始めるハードルを乗り越えられるか検討する
- 生活していけるか検討する
- うまくいかなかった場合のバックアッププランを検討する
- もう一度、本当にやりたいか心に尋ねる
その仕事を実現にするには
自分の関心を実現する仕事が見つかり、経済的にもやっていけることが分かったとしても、まだ行動できないことがあります。人にはこれまでの状況を維持しようとする特性、現状維持バイアスがあります。人は、変化することのリスクを過大に、現状のままいるリスクを過小に評価する傾向があります。転職した場合の利益が、しなかった場合の利益を上回っても、客観的に比較せず何となく転職しないほうを選びがちです。
この場合、行動することの価値と自分にはできるという自信の二つが必要です。そのためには、次の点を考えることが有効です。
行動することの価値
- 新しい仕事に就いた場合、失うものは何?と考えてみる
- 新しい仕事に就いた場合、獲得できることは何?と考えてみる
- 新しい仕事に就いた場合、その経験やスキルはどう活用できる?と考えてみる
自分にはできるという自信
- 何が不安か具体的に考えてみる
- やることを一つ一つ書き出してみる
- 毎日のやることを決め、まず1日やってみる
失敗するのが嫌だ、不安だと思う人もいるかもしれません。こうなったら失敗、いつまでに達成できなかったら失敗ということはありません。全て、世の中で常識と思われていることや、他人にどう思われるかを気にすることで生まれます。
他人基準と自分基準というものがあります。自分基準で判断し行動することが、実現を後押しします。
他人基準と自分基準
世の中の当たり前は他人基準です。他人基準で生きると、しばらくはうまくいきますが、どこかで生きづらさを感じます。そこそこできても、大きく伸びることはありません。他人基準は楽なので、人はいつのまにか他人基準で行動しがちです。
自分基準は深く考え行動しなくてはいけないので、大きなエネルギーを使いますが、世界が広がり、活き活きと生きていくことができます。
まとめ
本記事では、仕事のモチベーションとは、仕事のモチベーションが上がらないケース、仕事のモチベーションの上げ方について解説しました。モチベーションを上げる動機には、次の二つがあります。
- 内発的動機:仕事そのものに対する興味や楽しさ、成長意欲など自分の内側から出てくる気持ち
- 外発的動機:給与や昇進、評価、周囲の期待など外部要因から生まれる気持ち
内発的動機は、長期間の継続が可能で、本人の価値観が変わらない限り効果は持続します。内発的動機は、フィードバックなど寄り添った声かけや、自分で選択できる環境において高まることが判っています。仕事のモチベーションを上げるには、内発的動機を育てることが大切になります。
内発的動機は、自分の意志で取組み、うまくできていると思える時に高まることが分かっています。自立性と有能感です。自分の関心に沿ってどんな仕事がやりたいかを考え、決定し、行動します。そのためには、以下のステップで考える必要があります。
- 自分は何に関心があるのか
- どんな仕事が当てはまるのか
- その仕事を実現するには
活き活きとした人生は、人に聞いたり、人気の仕事を調べたりしても、見つかりません。答えはすべて自分の中にあります。仕事のモチベーションが上がらないという方は、ぜひ30分ほど時間をつくり、自分に向き合ってみてください。

「メタ認知力をつけ活き活き働く」ヒントを、ほぼ週次でお届けします。新着ブログやKindle本もご案内します。
ご登録いただいた方には、Kindle本「人に仕事を振ることができない人ができるようになった話」を無料プレゼント中!