セルフコーチングの効果

法人のお客様ー若手育成

本日は、私が認知行動療法を活用することになったきっかけやセルフコーチングを実施した効果をお伝えします。なお、全ての事例は、私の経験を基に作成した架空のものです。

認知行動療法の活用

私は、当初1on1で普通の社員のパフォーマンスを上げたいと考え、キャリアコンサルティング、文章作成演習、読解力演習など、いくつかの視点からサービスを検討しました。スキル系の研修は世の中に多数存在する上、スキルをつけるにはマインドが大切と考え、マインドチェンジに関わるサービスを提供することにしました。人のマインドを可視化できないかと心理療法を調べていたところ、認知行動療法と出会いました。認知行動療法には、認知行動モデルというフレームワークが存在し、人間の思考が決まる仕組みをシンプルに表したものでした。

                         認知行動モデルを基にした事例

認知行動療法の学び始めは、問いかけや書くことだけで、本当に効果があるのかと疑心暗鬼でした。うつ病の治療に使用されているものなので、健康な人が使って効果が出るのか、正直不安もありました。実際に自分で書いてみると、内省が進み、考えが変わっていくことを実感しました。私自身、考えすぎたり、完璧を追い求める癖があるので、最初は違和感ありながらも、次第に自分の癖に気づけるようになってきました。私の思考も変化し、初めての事でも、ダメ元でやってみようと思えるようになりました。これは使えると判断し、ある方に協力してもらいトライアルを実施した後、クライアントへの提供を開始しました。次に、架空の人物Aさんの事例ご紹介します。

架空の人物Aさんの事例

Aさんは、最初の面談で、上司に事務ミスを指摘されることが怖いと仰っていました。慎重にやろうと思う一方で、時間をかけると焦り、催促されると、こんなこともできず自分はダメだと思ってしまうとのことでした。自信を無くし、同僚に比べ自分は能力がない、昔から不器用だったなど、事務ミス以外のことも引き合いに出し、ネガティブな考えを膨らませている状況でした。

セルフコーチングプログラムを開始し、認知行動モデルを使った出来事、認知、感情、身体、行動、結果の可視化を行いました。何度か問いかけを行うことで、事務ミスを避けるには、作業方法を変えれば良いことになり、少しためらいはあったものの、次回までに上司に相談しやってみることで面談を終了しました。

次の面談で、状況を聞いたところ、上司から了解が得られ、すぐ作業を見直したとのことでした。今後はミスが発生することはないと、硬かった表情が少し和らぎました。現在の仕事の状況を聴いていくと、上司からダメ出しを受け落ち込むことが多いとのことで、セルフコーチングノートを使い、状況の可視化を実施しました。

                     セルフコーチングノート(記載内容は、本文とは別の架空の例)

セルフコーチングノートを見ながら何度か問いかけていると、自分は上司を気にし過ぎているかもしれないと話し始めました。上司に叱られることで、実質どんな損害があるか問いかけたところ、一度叱られただけで、評価が下がることはないけど、、、あまり無いかな、とのことでした。そもそも仕事の相手ではなく、上司を見て仕事をしているから上手くいかないのかも、仮に間違っても気にするほど損害はない、お客様やユーザーなど相手を意識し仕事をすることが大事、当たり前の話だけど今までどうして気づかなかったのだろう、、、と自ら語り出しました。

なぜこんなことができないのか、分からないのか、と思うかもしれませんが、人間焦りや不安で視野が狭くなっていると、一人ではなかなか気づけません。次は、セルフコーチングを実施した方によく見られる変化の例をご紹介します。

セルフコーチングによる変化の例

セルフコーチングを実施し続けると、次第に考え方が変化していきます。例えば、次のような変化が見られます。

<Bさん>

・当初

「営業が苦手で、新規の顧客に電話して断られるのが嫌だ」

・セルフコーチング実施後

「電話して断られた場合の実質の損害はない。断られたらゼロ、電話しなくてもゼロ。断られてマイナスになることはない。よく考えると、突然の電話を快く受ける人はめずらしく、断る方が普通。ということは、たくさん電話しないとアポはとれないということ。」

<Cさん>

・当初

「ある会議に自分は呼ばれなかったので、主催者に自分は評価されていない」

・セルフコーチング実施後

「会議の主催者に、自分を呼ばなかった理由は聞いていない。自分は、状況から勝手に妄想する癖がある。本人に聞かないと、本当の理由は分からない。分からないことは聞けばいいんだ。」

<Dさん>

・当初

「不足や誤りを、人から指摘されるのが嫌だ」

・セルフコーチング実施後

「人から指摘されないことが完璧で良いと思っていた。そもそもビジネスに完璧なんてない。アイディアを出し合って作っていくもの。不完全でも何かを出し、皆の力を借りながら仕上げればいいんだ。」

まとめ

いかがでしたでしょうか。認知行動療法は、誰もが持つ歪んだ考え方を整えます。特に、落ち込みや不安は、人の冷静な判断を妨害します。認知行動療法を活用することで、どんな時も、事実に基づき判断することができます。このことが、結果として仕事のパフォーマンスを向上させます。

ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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