仕事でイライラする。感情的にならない方法を解説

個人のお客様ーレジリエンス

  • 仕事でイライラばかりしてストレスがたまる
  • 社内の人間関係が面倒でイライラする
  • お客さんからの無理な要求が多くイライラする

本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。

仕事をしていると誰しもイライラすることがあります。イライラは仕事のパフォーマンスや人間関係に悪影響を与えるだけでなく、自分の心身の健康にも影響します。イライラする怒りはコントロールすることが可能です。イライラをゼロにするのではなく、イライラした時に問題行動を起こさないようにすることが大切です。

職場での怒りに関する調査/学校法人産業能率大学総合研究所」によると、会社で怒りを覚えるときの理由トップ3は不合理な要求、ムダな忖度、理不尽な要求です。多くの人は合理的と思えない出来事に怒りを感じているようです。

出所:職場での怒りに関する調査/学校法人産業能率大学総合研究所

本記事では、仕事中にイライラするデメリット、仕事でイライラする原因、イライラを解決する対処法を解説します。

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仕事中にイライラするデメリット

仕事中のイライラは、多くのデメリットをもたらします。例えば次のような状況になることがあります。

  1. 同僚からバカにしたような言葉を投げかけられる
  2. 瞬時にイラッとする
  3. 頭に血が上り、冷静さを失う
  4. 相手に声を荒げる
  5. 同僚との関係が悪化する
  6. 感情的になったことで、周囲からの評判が低下する
  7. 何やってしまったのだろうと落ち込む

あるいは次のような状況になるかもしれません。

  1. 同僚からバカにしたような言葉を投げかけられる
  2. 瞬時にイラッとする
  3. ぐっとこらえて我慢する
  4. 相手に対し嫌悪感が募ってくる
  5. 同僚との仕事がうまくいかなくなる

       

いずれも自分にとって良いことではありません。「職場での怒りに関する調査/学校法人産業能率大学総合研究所」によると、怒りへの対処方法は「できる限り冷静を保って状況をよく考える」がトップの33.8%です。しかし2位以下は、別のことでストレスを発散する、忘れる、ストレスをためる、我慢する、口を聞かないなど、多くの方が怒りの原因を考えずにやり過ごしています

出所:職場での怒りに関する調査/学校法人産業能率大学総合研究所

同調査の怒りが仕事に与える影響についての質問では、原因を解決するは22.4%に留まっており、多くの方は怒りから生じる悪影響を放置しています

出所:職場での怒りに関する調査/学校法人産業能率大学総合研究所

    

イライラするほどではないけど、ちょっと気になるという方はこちら

職場でちょっとしたことを気にしない方法は?原因と解消方法を解説

仕事でイライラする原因

人は自分にとって大事なものが傷つけられた時、怒りの感情が現れます。イライラは自分の大事なものが脅かされたというアラームです。例えば次のような時に怒りがわきます。

  • 「お客さんのこと」を考え行動しているのに否定された
  • 「がんばって仕上げた報告書」を否定された
  • 「自分の経験やスキル」を否定された
  • 「待ち合わせの時間」に相手が遅刻してきた
  • 「自分のお客さん」を横取りされそうになった時
  • 「大事な仕事」が同僚のミスで失敗した

「」が自分にとって大事なものです。また、人は次のような場合にも怒りを感じます。

  • 社会の秩序やルールを守らない行為

これは人が社会の秩序やルールが乱れることで安心して生活できなくなるためです。誰から見ても合理的であれば安心できますが、不合理、理不尽な要求がまかり通っていては、社会が乱れ安心して生活できません。大事なものは、自分が安心して生活できる社会です。

一般的に仕事で感情を外に出すことは、良くないとこと思われています。「あの人は感情的だ」「感情を抑えられない人」など子供っぽいと見られる傾向があります。しかし怒りは大事にしている物が脅かされたので”守れ”というアラームです。イライラすることは自然の現象なのです。

大切なのは、怒りを感じることとその後の行動を分けることです。次にイライラを解決する対処法を説明します。

イライラを解決する対処法

怒りを感じてイライラした時は、次の3つのステップを踏むのが有効です。

  1. クールダウン
  2. 大事なものを特定する
  3. 大事なものを守る

クールダウン

怒りを感じると、身体が戦う態勢に入り覚醒度が上がります。誰しも冷静さを失いますので、頭で考えるより身体を使った方法が比較的容易です。いつくかの方法を組み合わせ、自分に合う方法を探ってみることです。

方法説明
呼吸法鼻からゆっくりと息を吸って、お腹を膨らませます。吸ったあと1秒ほど間をとります。口からゆっくりと息を吐きながら、お腹をへこませます。しばらくして、繰り返します。
リフレッシュこれは状況によって出来ない場合もあるかもしれませんが、一旦その場を離れてみます。可能であれば、外に出て新鮮な空気を吸います。
カウンティングイライラした時に、心の中で数を数えます。怒りは6秒続くと言われますので、焦らずゆっくりと6つ数えます。他の方法と組み合わせると効果的です。
内言法自分の心の中で怒りが和らぐ言葉を言い聞かせます。例えば次のような言葉を、心の中でつぶやきます。
・損して得取れ
・金持ち喧嘩せず
・弱い犬ほどよく吠える
イメージング法心の中で気持ちが和らぐイメージを描きます。イメージは無意識のうちに行動に先行します。例えば次のようなイメージングを思い浮かべます。
・週末ジョギングしている姿
・家族でお笑い番組を見ている姿
・好きなマンガや本を読んでる姿

大事なものを特定する

イライラは自分の大事なものが脅かされたというアラームです。しかし、自分が大事なものは瞬時には分かりません。イラっときた瞬間に大事なものを特定するのは難しいので、過去の怒りを思い出し、何を大事と思っていたのかを特定します。自分が大事にしているものを理解し、次に同じ状況になった時にどうすれば守れるかを考えます。

領域大事なもの悲しい出来事の例
想い・将来の夢
・相手
・将来の夢を目指してがんばっていたのに、仕事を続けられなくなった
・相手のことを気にかけていたのに、相手に自分との関係を断つ行動をとられた
価値観・お客さんの要望に応えるのが何よりも最優先
・お客さんとの会議は対面を優先
・大事なお客さんの急ぎの仕事に残業して対応していたが、残業が多いと上司から叱られた
・お客さんとの会議は、遠方でも対面を優先してきたが、遠方はオンライン会議を利用することが会社の方針として決まった
能力・仕事の能力・がんばってきたのに昇格できず、後輩に抜かれた
・昇格試験を受けたが、不合格となった
健康・自分の健康・夜間の仕事に集中できなくなった
・残業、週末勤務が続き身体をこわした
有形資産・大事なお客さん
・自分の経歴、スキル
・大事なお客さんだったが、担当が変わり競合を使い始めた
・転職活動で自分の経歴やスキルが評価されず、書類選考に落ちた
無形資産・周りからの信頼
・プライド
・ミスをして、上司から叱責され案件を外された
・期待に応えようとがんばってきたのに、上司から否定的な言葉を投げかけられた
時間・自分の時間・やりたいことが忙しくてできない
・休日出勤が続き、家族との時間がもてない

過去の怒りを思い出し何を大事と思っていたのかを特定するには、自分の内面に向き合う行為、内省が必要です。詳しくは以下のブログをご覧ください。

大事なものを守る

大事なものが分かると、それだけで冷静さを保つことができます。さらにその後の行動を意識することで、自分にも周りにも良い結果がもたらすことができます。ポイントは以下の2点です。

  1. 完璧思考を疑う
  2. 事実・考え・提案でこたえる

完璧思考を疑う

完璧思考とは、「~すべき」「~でなくてはならない」と考える思考です。自分や他人に対して高すぎる基準や期待を持ち、失敗すると自分を否定し他人に厳しくあたることになります。本人は自分の思考が正しいと思っているかもしれませんが、社内で共有された統一のルールではない、環境が変わり今は通用しないなどの可能性があります。

  • 昔はこうだった →昔と今は環境が変わり常識と言われることも変わってきています
  • 上司にこう教わった →過去上司に教わったことが、今も同じように正しいとは限りません
  • これで上手くいった →過去上手くいったからといって、この場が上手くいくとは限りません

人は過去の自分の経験や習慣に基づき、今回も同じだと考える傾向があります。そもそも世の中に完全はありません。自分の思考が、勝手に「~すべき」と断定していないか確認し、異なる考えを受け入れることが大切です。

コーチ
伊集院

私は30~40代の頃、完璧思考でした。「朝食は家族一緒に食べなければいけない、テレビを見ながらはダメ」「日経新聞は必ず仕事の前に目を通しておかなくてはいけない」「メールの返信は3時間以内にしなくちゃいけない」。今思うと本当に面倒なやつですが、本人はなかなか気づかないものです。心身をリラックスできる時間を持つことが大事だと思います。

   

事実・考え・提案でこたえる

完璧思考ではなく、社内で共有されたルールまたは明らかに常識を逸脱している場合は、次のような流れで応えます。

  1. 事実を伝える: 目の前の事実を客観的に伝えます
  2. 考えを伝える: 私を主語にして、自分の考えを述べます
  3. 提案する: 実現できそうな方法を提案します

    

冷静に、事実を述べ、それに対する自分の考えを伝え、相手ができそうな別の方法を提案します。こうした取り組みにより、イライラしても、自分も周りにも良い結果になる行動を取ることができます。

まとめ

仕事をしているとイライラすることがあります。本記事では、イライラするデメリット、イライラする原因、イライラを解決する対処法を解説しました。イライラした時は、次の3つのステップを踏むのが有効です。

  1. クールダウン
  2. 大事なものを特定する
  3. 大事なものを守る

気持ちを落ち着け、自分をイラっとさせた大事なものを特定し、それが完璧思考からきているものではないか確認します。その上で、冷静に、事実を述べ、それに対する自分の考えを伝え、相手ができそうな別の方法を提案します

イライラを感じるのは大事なものが脅かされたアラームです。感情は優しく受け入れ、その後落ち着いて合理的な行動を取ることで、仕事も生活もうまくいくようになります。ぜひお試しください。

    

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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