女性管理職が増えるには、部下の成長を本気で考える上司と、チャレンジ精神のある部下の両者が必要です。
女性管理職に抵抗感のある人が多い中、機械的な数合わせではなく、真に社員の成長を応援する組織が増えることを願います。
「女性版骨太の方針2023(女性活躍・男女共同参画の重点方針2023)(原案)概要」が、男女共同参画会議より公表されました。
方針では、プライム市場上場企業を対象に、次の目標が示されました。
- 2025年を目途に、女性役員を1名以上選任するよう努める
- 2030年までに、女性役員の比率を30%以上とすることを目指す
本稿では、今後、女性管理職が増えていくために、組織に求められることを探ります。
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目次
女性役員がいない企業は、10社に2社
女性役員がいない企業は、2013年に84%だったのが、2022年は18.7%まで下がっています。
10年前、10社に8社は女性役員がいませんでしたが、現在女性役員がいない企業は、10社に2社となりました。
2025年までに、プライム市場上場企業において女性役員が1名以上いる状態を目指します。
出所:女性版骨太の方針2023(女性活躍・男女共同参画の重点方針2023)(原案)/男女共同参画会議
一社あたりの女性役員は、役員20人中1~2人
一社あたりの女性役員の割合は、8.8%です。
仮に役員数が20人とした場合、女性役員は1~2人です。
プライム市場上場企業は、2030年までに役員の30%以上を女性役員とすることを目指します。
役員数が20人の場合、6人が女性役員となります。
出所:女性版骨太の方針2023(女性活躍・男女共同参画の重点方針2023)(原案)/男女共同参画会
女性の就業率は年々増加し、75%以上を達成
「令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-」によると、女性の就業率は年々上昇し、2021年の25-29歳女性の就業率は83.6%、30-34歳女性は77.2%、35-39歳女性は75.8%です。
30-34歳女性は、30年前の約1.5倍となっています。
出所:令和4年版厚生労働白書-社会保障を支える人材の確保-/厚生労働省
「女性管理職」検索の27%は、ネガティブワード
Googleで「女性管理職」に関連する検索ワード数を調べると、400件あり、約27%の106件がネガティブワードです。
以下のワードは、ネガティブワードの中で、月500件以上、検索されたものです。
- 女性管理職 うつ
- 女性管理職 なりたくない
- 女性管理職 デメリット
- 女性管理職 向いていない
- 女性管理職 疲れた
- 管理職 女性 断り方
同様に、「管理職」に関連する検索ワード数を調べると、1011件あり、約17%の179件がネガティブワードです。
ちなみに、「管理職なりたくない」が、唯一、月5000件を超えるネガティブワードです。
ChatGPTに聞いた、女性管理職が増える方法
政府は、プライム市場上場企業に対し、女性役員1名以上、比率30%以上を求めています。
女性の就業率は75%を超えており、多くの会社では女性社員が活躍しています。
女性役員が増えるには、女性管理職へのなり手を増やす必要があります。
ただ、女性管理職のネガティブワード検索率は27%と高く、管理職になることに抵抗感を持っている女性社員が多いようです。
そこで、ChatGPTに「女性管理職が増える方法」を聞いてみました。
以下が回答です。
全てよく言われることですが、特に抵抗感を減らすためには、「1. 女性の登用と昇進の促進」「3. メンタリングとコーチングの支援」の強化が必要です。
出所:ChatGPT
- 女性の登用と昇進の促進: 男女平等を目指すために、女性の登用と昇進の機会を積極的に提供する。女性が管理職に就くことを奨励するため、公正な評価基準を設け、適格な女性社員にチャンスを与える。
- トレーニングと開発プログラムの提供: 女性社員のスキルやリーダーシップ能力を向上させるためのトレーニングや開発プログラムを提供する。リーダーシップスキル、コミュニケーション能力、ビジネス戦略などを強化することで、女性が管理職に就く準備ができる。
- メンタリングとコーチングの支援: 女性社員に対してメンタリングやコーチングの支援を提供する。経験豊富な上級管理職が女性社員をサポートし、キャリアのアドバイスや挑戦に立ち向かうための指導を行うことで、女性の成長と管理職へのステップアップを促進する。
- ワークライフバランスの推進: 女性が管理職を目指す際には、ワークライフバランスの確保が重要。柔軟な労働時間やリモートワークの選択肢を提供し、家庭や仕事の両立を支援する制度や文化を整備する。
- 多様性とインクルージョンの促進: 女性が管理職になるためには、多様性とインクルージョンの促進が不可欠。差別や偏見を排除し、全ての社員が平等な機会と環境を享受できるような文化を醸成する。
- ポジティブな役割モデルの提供: 女性社員にとってのロールモデルを提供することも重要。女性管理職の成功事例を公にし、彼女たちが他の女性社員にとってインスピレーションとなる存在となるよう支援する。
「女性の登用と昇進の促進」部下の成長を本気で考え、熱意をもって想いを伝える
管理職は、責任があり、孤独で、仕事の質量ともに一般社員に比べると大変です。
一方で、大きな仕事を任せてもらえる充実感、チームで何かを成し遂げた時の達成感を味わうことができます。
苦労を乗り越えることで、人としての成熟が増し、人格形成も促されます。管理職には、待遇だけでなく、心の充実感や多くの成長機会があります。
政府が言っているからではなく、部下の成長を本気で考え、熱意をもって想いを伝えるという、基本的な上司としてのかかわりを、きちんと実行する必要があります。
私の経験からも、本気度は相手に伝わります。
「メンタリングとコーチングの支援」女性社員の自己肯定感を高め、チャレンジ精神を醸成する
オファーを前向きに受け入れる態度の醸成も必要です。
自己肯定感と呼ばれる、「自己に対して肯定的で、好ましく思うような態度や感情」(田中, 2008)です。自己肯定感が高いと、やればできるという気持ちを持つことができます。
私もコーチングを実施していて、「メールで指摘を受けると、長くひきずり・・」「自分は、基本ネガティブ思考なので・・」「人に仕事を振るのが苦手で、いつも自分で抱え込んでしまい・・」といった女性クライアントの声をよく聞きます。
ほとんどの方が、思い込みが強く、事実を客観的に見れていません。
数ヶ月間、じぶんコーチングのトレーニングを積むことで、思考の癖が修正されます。
昨今、マインドフルネスを社員研修に取り入れる、管理職候補の女性社員にメンターをつけるといった企業も増えてきています。
業務指示だけで成果が上がる時代ではなくなりました。
社員の心を安定させ、チャレンジ精神を醸成するトレーニングやコーチングなどの取り組みが必要です。
女性役員の増強をきっかけとして、性別、国籍にかかわらず、真に社員の成長を応援する組織が増えることを願います。
引用文献
田中 道弘 (2008). Rosenbergの自尊心尺度をめぐる問題と自己肯定感尺度の作成と項目の検討 常磐大学大学院人間科学研究科博士学位請求論文
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