メンタルの鍛え方は?仕事で役立つ簡単な3つの方法を紹介

個人のお客様ーレジリエンス

メンタルは鍛えられます。メンタルを鍛えるとは、心を整え、しなやかな心になることです。

スポーツでは、心技体が大切だと言われます。技と体は訓練することで、上達し鍛えられますが、心も同じです。プロスポーツではメンタルトレーニングは常識です。働き手を取り巻く環境が激変する中、メンタルを鍛える習慣は、ビジネスパーソンにも必要です。

本記事では、誰でも、どこでも、簡単にできるメンタルの鍛え方を紹介します。

   

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メンタル

メンタルとは

メンタルとは心の状態のことです。メンタルは、人の思考、感情、行動や判断に影響を与えます。メンタルは、生まれつきの性格や遺伝的な要素だけでなく、環境や経験、教育やコミュニケーションなどによって変わります。メンタルは常に変化し、良くもなり、悪くもなります。

メンタルを鍛えるとは

メンタルを鍛えるとは、心を整え、しなやかな心になることを意味します。メンタルを鍛えることで、自信や自己肯定感が高まります。ストレスや困難に対処する能力や柔軟性の向上、目標達成や問題解決に必要な集中力や創造力も高められます。

テニス選手に対しメンタルトレーニングを実施した結果、忍耐力、勝利意欲、自己コントロール、リラックス、集中力、自信の尺度が向上したという報告があります。(以下のグラフを参照)

出所:テニス選手に対するメンタルトレーニングの実施と効用性/村上貴聡、岩崎健一、徳永幹雄/健康科学. 22, pp.183-190, 2000-02-10. 九州大学健康科学センター

メンタルトレーニングとストレスマネジメントの違い

メンタルトレーニングは目標に対して最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、考え方や感情のコントロール力、集中力などメンタルを強化することです。ストレスマネジメントはストレスが過剰になりすぎる前に、ストレスとうまくつきあう、メンタルを保護するものです。

メンタルが弱っている時はストレスマネジメント、メンタルは平常だけどもっと強くしたい時はメンタルトレーニング、と考えると分かりやすいでしょう。

   

   

メンタルが強い人・弱い人の特徴

メンタルが強い人・弱い人は、それぞれ次のような特徴をもっています。メンタルの強さは、全てのビジネスパーソンに求められるスキルと言えます。

項目メンタルが強い人の特徴メンタルが弱い人の特徴
考え方メンタルが強い人は、ポジティブな思考や感情を持っています。ポジティブな人は、自分や他人に対して肯定的であり、物事を前向きに捉えます。ポジティブな人は、失敗や挫折からも学びや成長の機会として受け止めます。メンタルが弱い人は、ネガティブな思考や感情を持っています。ネガティブな人は、自分や他人に対して否定的であり、物事を悪く捉えます。ネガティブな人は、失敗や挫折からも自己嫌悪や絶望の感情に陥ります。
自己効力感メンタルが強い人は、自己効力感が高いです。自己効力感とは、自分が何かを成し遂げることができるという信念のことです。自己効力感が高い人は、自分に対して自信を持ち、目標に向かって積極的に行動します。メンタルが弱い人は、自己効力感が低いです。自己効力感が低い人は、自分が何かを成し遂げることができないという信念を持っています。自己効力感が低い人は、自分に対して自信がなく、目標に向かって消極的に行動します。
レジリエンスメンタルが強い人は、レジリエンスが高いです。レジリエンスとは、ストレスや困難に対して回復力や適応力を持つことです。レジリエンスが高い人は、ストレスや困難に直面しても落ち込まずに立ち直ることができます。メンタルが弱い人は、レジリエンスが低いです。レジリエンスが低い人は、ストレスや困難に対して回復力や適応力を持ちません。レジリエンスが低い人は、ストレスや困難に直面するとすぐに落ち込んだり、あきらめたりします。
セルフコントロールメンタルが強い人は、セルフコントロールが高いです。セルフコントロールとは、自分の感情や衝動を抑制する能力のことです。セルフコントロールが高い人は、感情的にならずに冷静に判断したり、誘惑に負けずに我慢したりすることができます。メンタルが弱い人は、セルフコントロールが低いです。セルフコントロールが低い人は、自分の感情や衝動を抑制する能力がありません。セルフコントロールが低い人は、感情的になって暴走したり、誘惑に負けて衝動的に行動したりします。
メンタルが強い人・弱い人の特徴

   

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メンタルを鍛える3つの方法

メンタルを鍛える簡単な3つの方法を説明します。

呼吸法

呼吸法とは、深くゆっくり呼吸し、心身をリラックスさせる方法です。

なぜ効果があるのか

「一流の集中力(豊田一成)*1」によると不安を感じたり、怒りを覚えたりすると、人間の呼吸は速くなり、吸う息も吐く息も、浅くて短いリズムになります。呼吸が乱れている状況では、人間は物事に集中することができなくなります

呼吸を整える行為は、思考を正常に働かせるための準備です。息を吸っている時は交換神経が優位になり、興奮状態になります。息を吐いている時は副交感神経が優位になり、リラックス状態になります。笑うと息を吐くため、副交感神経が優位になりリラックスします。泣くと息を吸うため興奮します。

実施のポイント

  • 朝起きた時や寝る前、ストレスを感じた時などに行う
  • 吸うときは短く、吐くときは長く。
  • 鼻から大きく吸い込み、そのままいったん息を止め、口からゆっくり吐き出す。
  • 吸った時よりも3~4倍くらいの時間をかけて、細く静かに吐く。
  • 呼吸法は吐く行為が大事、息は全部吐き出す。

内言法

内言法とは、自分の心の中でポジティブな言葉を繰り返す方法です。

なぜ効果があるのか

「一流の集中力(豊田一成)*1」によると、物事の価値判断を下すのは、脳の辺縁皮質が司る潜在意識ではなく、大脳新皮質が司る顕在意識です。潜在意識は、物事の善悪や真偽を判断できないため、事実でなくても正しい情報としてインプットし、思考や行動を制御しようとします。

人は「今日はついてる」と感じると、いつもより積極的、行動的になれます。「今日はついてる」という情報が潜在意識にインプットされ、思考や行動が前向きになった結果です。このメカニズムを活用したのが、内言法です。自分の心をコントロールする司令塔のようなものです。

実施のポイント

  • 「〇〇に合格する」「〇〇に入社する」「〇〇が成功する」などポジティブな言葉を使う。
  • 声に出して、繰り返し自分自身に言い聞かせる。
  • フレーズを紙に書いて、いつも目に触れる場所に貼っておく。
  • 「~する」と断定した言葉にする。
  • 感情が下がった時、やる気が出ない時は、次の言葉を発してみる。
緊張が高い時・・・・・リラックスしてきた
抑鬱が高い時・・・・・うきうきしてきた
怒りが高い時・・・・・とっても楽しい
活動性が低い時・・・・どんどん動きたくなってきた
疲労が高い時・・・・・疲れがとれた
情緒混乱が高い時・・・すっきりしてきた

イメージング法

イメージング法とは、心の中でポジティブな画像を描く方法です。

なぜ効果があるのか

「一流の集中力(豊田一成)*1」によると、人間の脳は鮮明に描かれた画像を本物と勘違いし、現実との区別ができなくなります。イメージは、無意識のうちに行動に先行します。イメージが明確であればあるほど、行動とのブレが小さくなり、目的に集中できます。

実施のポイント

  • 試合、試験、面談など、集中力を発揮すべき局面を想定し、そこで上手くいった自分の姿をイメージする
  • イメージがわかない時は、言葉で表現し、映像に置き換える。
  • イメージは、次の例のように視覚(見る)、聴覚(聴く)、味覚(味わう)、嗅覚(嗅ぐ)、触覚(皮膚で感じる)の五感をフル活用する。

例)中村俊輔選手の「最高のプレー」「最悪のプレー」のイメージ

最高のプレー最悪のプレー
場所:韓国
体調:体が軽い。走るといつもより早く感じる
心理状態:何をやっても上手くいく気がする
運動感覚:ボールが足に吸い付いている感じ
自分の姿:ガッツポーズ
聴覚:味方の声だけ
視覚:目がはっきり開いて、視野が拡がった感じ
色彩:青・紺・白
場所:等々力
体調:だるい
心理状態:集中できない。ボーっとしてしまう
運動感覚:グラウンドが広く感じ、ゴールを遠く感じた
自分の姿:下を向く
聴覚:相手の応援ばかり聞こえる
視覚:ぼやける
色彩:緑
出所:一流の集中力イチロー、中村俊輔も実践する「本番力」の鍛え方/豊田一成/2011年7月6日/ソフトバンククリエイティブ株式会社を基に作成

上司の部下へのかかわり方

メンタルトレーニングの有効性を理解する

上司や管理職は、メンタルもスキルと同様にトレーニングにより強化できることを理解します。組織の力を最大化するためには、一人一人の根性論に頼るのではなく、科学的に実証されたトレーニングを取り入れることが大切です。

ジョブ型雇用が注目されるように、会社員はサラリーマンからプロフェッショナル人材への変身が求められています。まずは管理職はメンタルトレーニングの研修を受け、自分自身が実践してみることが大切です。

コーチのように部下にかかわる

「仕事のやり方を俺がお前に教えてやるんだ」という気持ちで部下に接すると、「何やってんだよ」と乱暴な口調になります。「コーチのように部下をサポートするんだ」という気持ちであれば、「その調子だがんばれ」となります。

上司には、部下のメンタルが弱っているときは、仕事の量や難易度を調整した上で、呼吸法、内言法やイメージング法により、メンタルの改善を促すことが求められます。

   

   

まとめ

プロスポーツではメンタルトレーニングは常識です。環境が激変する現在、メンタルを鍛える習慣は、ビジネスパーソンにも必要です。誰でも、どこでも簡単にできるメンタルの鍛え方は、次の3つの方法です。

  • 呼吸法:    深くゆっくり呼吸し、心身をリラックスさせる
  • 内言法:    自分の心の中でポジティブな言葉を繰り返す
  • イメージング法:心の中でポジティブな画像を描く

誰もがプロフェッショナル人材になるためには、根性論に頼るのではなく、科学的に実証されたトレーニングを取り入れていく必要があります。誰でも、どこでも簡単にできる3つの方法、ぜひ試してみてください!

引用文献

*1 一流の集中力イチロー、中村俊輔も実践する「本番力」の鍛え方/豊田一成/2011年7月6日/ソフトバンククリエイティブ株式会社

  

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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