- マインドフルネスって何?
- マインドフルネスって本当に効果あるの?
- マインドフルネスは誰にでもできるの?
本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。
Googleがマインドフルネスを導入したことで、ビジネス界でもマインドフルネスの有効性が認識されるようになりました。マインドフルネスは、「あるがままの状況に対して、意図的に、今この瞬間に、評価せずに、注意を向けることで生じる気づき」と定義されています。
「オンライン・マインドフルネスの効果検証に関する研究成果/株式会社Melon」において、マインドフルネスを実施することでウェルビーイングが向上するという結果が示されています。
「ウェルビーイング」の効果計測において、グループAは、オンライン・マインドフルネス後に偏差値15程度の得点が増加して、通常通りの生活を過ごした後も効果が継続。グループBでは通常通りの生活を過ごして、小幅に得点が増加。その後、マインドフルネス実践後に、得点が増加しました。
出所:オンライン・マインドフルネスの効果検証に関する研究成果/株式会社Melon
本記事では、マインドフルネスとは、マインドフルネスを身に着けることによる効果、マインドフルネスのやり方を説明します。
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マインドフルネスとは
いきなりですが、絵を見て感じていただきます。
- 左(上)の絵:マインドフルでない状態です。皿洗いをしながら、あれこれゴチャゴチャ考えています。悩みごとが大きくなり、心が沈んできます。
- 右(下)の絵:マインドフルな状態です。皿洗いに意識を集中しています。余計なことを考えていないので、気分が楽しくなります。
いかがでしょうか?
左(上)の状態は自動操縦と言われます。頭では別のことを考えながら行動している状態です。自動操縦状態は、心が休まらず、幸福感を感じにくくなります。
右(下)の状態はマインドフルな状態です。目の前のことに意識が集中し余計なことを考えていません。その瞬間を楽しむことができるため悩みが減り、幸福感が上がります。
マインドフルネスとは目の前の事象を評価せず、ただ注意を向ける行動です。瞑想などを通じて身に着けることができます。マインドフルネスは仏教の瞑想に由来し、1979年にジョン・カバット・ジンがマインドフルネスストレス低減法を体系化しことがきっかけとなり心理療法として広まりました。マインドフルネスは次のように定義されています。
あるがままの状況に対して、意図的に、今この瞬間に、評価せずに、注意を向けることで生じる気づき
マインドフルネスを身に着けることによる効果
今度は上の絵を見てください。
- 左(上)の絵:迷路を歩いている少女です。自分より背丈の高い生垣に囲まれ、出口を見つけるのは至難の業です。
- 右(下)の絵:迷路を空中から見た絵です。迷路の大きさや形、どの道が行き止まりかなど、迷路全体を俯瞰することができます。
日常的にマインドフルネスができるようになると、困難にぶつかった時、右(下)の絵のように上空から俯瞰して現状を見れるようになります。心理的柔軟性が高まり、心の健康を保つことができます。
マインドフルネスにより、主に次の3点ができるようになります。
できること | 説明 |
---|---|
過去・未来ではなく、今にフォーカスできる | 人はつい過去を悔んだり、未来を心配したりします。過去の事実は変えることができず、未来を予言することもできません。過去・未来を思い悩むことは、脳を疲弊させ心を不健康にします。マインドフルネスは、過去・未来を思い悩むことを止め、今この瞬間に意識を向けることができるようになります。(倉光, 2021) |
出来事を抵抗せず、受容できる | 日常で起こる出来事は、受け取り方によりストレスを引き起こす苦痛となります。苦悩とは苦痛に抵抗することで生じるストレス反応であり、「苦悩=苦痛×抵抗」と表されます。苦痛に対する抵抗が大きいと、苦悩は増し、抵抗が小さいと苦悩は減ります。したがって出来事に抵抗しない(抵抗=0)場合、苦悩はゼロになります。マインドフルネスは抵抗を小さくすることができます。(倉光, 2021) |
出来事に反応せず、対応できる | 人は不快な出来事に対し、衝動的、習慣的、自動的または非機能的に反応し、辛くなることがあります。出来事をあるがままに受け入れることで、出来事の全体を俯瞰でき、納得できる対応を取ることができます。マインドフルネスにより出来事をあるがままに受け入れることができます。(倉光, 2021) |
この結果、次のような効果を得ることができます。
- 心理的・身体的健康
- 良好な人間関係
- 冷静な意思決定
- 仕事や学業への集中
- 全般的な生活の向上
メタ思考を知る
マインドフルネスのやり方
マインドフルネス瞑想を毎日5分実践するだけでも、効果を実感します。マインドフルネスは日常の生活の場で実践できますが、慣れるまでは瞑想がお勧めです。
瞑想のマインドフルネス
- 姿勢を整える
- 集中できるように、できるだけ静かな場所を選びます
- 座る場合は背筋を伸ばし椅子に座るか、床に正座またはあぐらをかいて座ります
- 目は完全に閉じてもよいし、半開きで下を向いてもよいです
- 呼吸に意識を向ける
- 呼吸に意識を集中させ、自分の呼吸を感じます
- いつもの自分の呼吸を行います(無理に腹式呼吸をやる必要はありません)
- 鼻腔、肺、お腹など、自分の感じやすい部位で呼吸を感じます
- 雑念が浮かんでも戻る
- 雑念が浮かんだら、それを否定せずに「雑念が出てきたな」と思うだけです
- そして再び呼吸に意識を戻します
- 5分経ったら終了
- タイマーなどをセットしておき、5分経ったら終了します
- 慣れてきたら、少しづつ時間をのばしましょう
伊集院
筆者は電車の中で5分間、瞑想するようにしています。立っている時でも吊革につかまりながら、呼吸に意識を集中させます。いろいろな音が聞こえ雑念が出てくることも多いですが、「意識がそれたな戻ろ」という感じで気楽にやっています。
日常のマインドフルネス
マインドフルネスは今その瞬間に意識を集中させる行為なので、日常のあらゆる場面において実施できます。人、テレビ、スマホ、PC、本などから意味のある情報を受け取っている時以外は、全ての場面で実施が可能です。例えば次のような取り組みです。
- 歩いている時: 足の裏の感覚や呼吸に意識を向けます
- 食事の時:食べ物の見た目、香り、味、触感に意識を向けます
- コーヒーを飲んでいる時:コーヒーカップの見た目、温度、香り、味、口の中での感触に意識を向けます
- 皿洗いの時:皿の手触りや流れる水の感触に意識を向けます
- 服をたたんでいる時:服の手触り、弾力、香りに意識を向けます
生活のほとんど全てにおいて、マインドフルネスを実践することができます。
伊集院
筆者は歩く時に、マインドフルネスと考える歩きに分け、必要に応じて実践しています。マインドフルネスの歩きでは、足裏の感覚に意識を集中するようにしています。これをやると気分がすっきりします。(^^)
メタ認知能力を知る
まとめ
本記事では、マインドフルネスとは、マインドフルネスを身に着けることによる効果、マインドフルネスのやり方を説明しました。人生いろいろなことが起きます。人はつい過去のこと、未来のことをあれこれ思い悩みがちです。行き過ぎると、状況は進展せず心だけ疲弊します。
マインドフルネスは、気づき、注意、覚えておくことを意味します。「あるがままの状況に対して、意図的に、今この瞬間に、評価せずに、注意を向けることで生じる気づき」と定義されます。
日常的にマインドフルネスができるようになると、困難にぶつかった時に俯瞰して現状を見れるようになるため、心の健康を保つことができます。マインドフルネス瞑想を毎日5分実践するだけでも、効果を実感します。マインドフルネスは日常の生活の場で実践できますので、ぜひお試しください!
引用文献
倉光 修 (2021). 臨床心理学概論/倉光修/2021年1月20日/一般社団法人放送大学教育振興会
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