部下の育て方が分からない。新米リーダー向けに対応方法を分かりやすく解説

個人のお客様ーレジリエンス

  • 部下が思うように動いてくれない
  • 部下がなかなか成長しない
  • 部下が侮辱した態度をとる

本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。

上場企業の課長に関する実態調査(第7回)/学校法人産業能率大学総合研究所によると、課長に対する質問で「あなた自身が、今後強化したいと考えている能力・知識は何ですか?」については、 「部下を育成する力」が31.9%で最も多くなっています。さらに「部下を率いていく力」が21.9%、「部下を適正に評価する力」が10.4%と、強化したい能力・知識として部下に関することが64%を占めています。

出所:第7回上場企業の課長に関する実態調査/学校法人産業能率大学総合研究所

本記事では、部下の育て方が分からないと悩んでいる新米リーダー向けに、対応方法を解説します。すぐに対応方法が知りたい方は、こちらをご覧ください。

  

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よくある部下に対する上司の悩み

部下の持つようになると、いろいろ悩みます。筆者も30年前に初めて部下を持ち、15年ぐらいは試行錯誤の連続でした。例えば次のようなことがありました。

  • 指示しても意図したとおりにやってくれない
  • 何度いってもミスがある
  • 一生懸命指導していたつもりなのに陰で悪口を言われる

しまいには見切って、自分でやってしまうことも多々ありました。最近も数名の若手管理職から、次のような悩みを聞きました。

  • 部下に指示をしても「やる必要ないと思います」「忙しいのでできません」と返される
  • 部下がミスをするので何度も言っているが、毎回同じミスをする
  • 1on1で部下に話を聴こうと促しても「特にありません」と返される
  • 部下に新しい業務知識を覚えるよう指示しても、全く勉強してこない

同じ経験をされている方も多いのではないでしょうか。ここから部下に対しよくある上司の悩みを見ていきます。

項目説明
すぐに動かない期限を決め、具体的に作業の指示をしたとしても、「わかりました」と返事はよいが、すぐには動きません。期限ギリギリになって、手直しが必要な資料が出てくるパターンです。
侮辱した態度をとる「パワハラに気をつけろ」「残業させるな」と言われている昨今、叱られないのをいいことに「その仕事必要ないんじゃないですか」などと上司を侮辱した態度をとります。
やる気がない指示しても返事が曖昧で、必要最低限のことしかやらない、あるいは「メモをなくした」「すみません」などと答え、一切やってきません。
嘘をつく指示した仕事を確認した場合「順調に進んでいます」「問題ありません」と答えるが、実際には問題が発生し遅延しています。
話をしてこない仕事は淡々とこなすものの、「どう順調?」「何かある?」と聞いても「特にありません」と答え、なかなか会話が続きません。
自信がないまじめに仕事をするものの、ちょっとしたミスや遅れを指摘すると、人格を否定されたように落ち込むため、どう接したらいいかわかりません。
評価に過敏に反応し過ぎる人事評価の結果に対し過敏に反応し、昇格できないとモチベーションを大きく下げ、反発した態度をとります。退職に至ることもあります。
成長しないまじめに取り組んでいるものの、なかなか成長がみられません。

  

一方で、上司と合わないと思っている部下もいます。部下の気持ちを知りたい方は、こちらをご覧ください。

人が行動するメカニズム

ここでは人が行動するメカニズムをみていきたいと思います。

課題の分離

人を変えることはできないとよく言われます。これは以下に説明するアドラー心理学の「課題の分離」を知ると理解できます。

  • 自分でコントロールできるものは自分の課題
  • 相手にしかコントロールできないものは相手の課題

例えば、「部下がすぐ動かないので、イライラする」場合、部下と上司の課題は次のようになります。

  • 部下の課題:すぐ動かないこと
  • 上司の課題:イライラすること

部下がすぐ動かないのは、上司にどうすることもできません。これは部下の課題です。上司は自分のイライラはおさえることはできます。また、上司には次のような行動も可能です。

  • 部下がすぐ動くように促す

このように課題を分けて考えると、上司は次のような気持ちで部下マネジメントに取り組むことができます。

すぐ動けるようになることは部下の課題。上司の自分にはどうすることもできない。 自分は自分のできることをやる。結果がどうであれ、部下がすぐ動けるよう促してあげれば良い。それが上司の役割だ。

人を動かす三原則

「人を動かす」/デール・カーネギーでは、以下の人を動かす三原則を提唱しています。

項目説明
盗人にも五分の理を認める相手を批判も非難もせず、苦情も言わないこと。相手を尊重し、理解しようとすること。
重要感を持たせる相手に心からの賛辞を与え、自尊心や自己重要感を満たすこと。相手の長所や成功を認め、褒めること。
人の立場に身を置く自分のことではなく、相手のことを考えること。相手が何を望んでいるのか、何に興味があるのかを見抜き、そこに自分の提案や要求を合わせること。
人を動かす三原則
出所:人を動かす/デール・カーネギー

すぐ動かない人、なめた態度をとる人、やる気のない人も、何らかの理由があってそういう行動を取っています。その点を考慮し、批判を避け、相手の良い点を認め期待していることを率直に伝えます。相手は自分は重要視されていると感じます。最後に、相手の立場で考え、相手の望みを実現し得るように動きます

内的動機・外的動機

内的動機と外的動機は、人が何かをするときの動機づけの種類です。

内的動機

自分の中から湧いてくる興味や関心、やりがいなどによって行動することです。例えば、好きなことや楽しいことをするときに内的動機が働きます。内的動機は、行動そのものが目的になります。行動に対する興味や関心が高いため、長期的にモチベーションを維持できます。

外的動機

外部からの報酬や評価、期待や圧力などによって行動することです。例えば、お金や賞をもらうため、人に褒められたいため、罰を避けたいためなどに外的動機が働きます。外的動機は、行動の結果が目的になります。行動に対する興味や関心が低いため、短期的にモチベーションが上がりますが、長期的には低下しやすくなります。

内的動機と外的動機は、どちらも人の行動に影響を与えますが、内的動機のほうがより強いモチベーションを生み出し、高い成果や満足感をもたらします

部下が育つ上司のかかわり方

人が行動するメカニズムを踏まえると、部下が育つには、上司には次のようなかかわり方が必要と言えます。

部下の行動の背景に想いを巡らせ、良い点を心から認め、仕事を通じて部下の望みが叶えられるようにかかわる。

状況別の上司のかかわり

ここからは、部下の状況ごとに、上司のかかわり方を説明します。部下の成長を促すかかわりとは言え、目の前の仕事に悪影響が出ることは避けなければいけません。先に仕事を優先した対応や部下の気持ちを安定させる接し方が必要な場合があります部下の心が整ったところで、育成を意識した行動に移ります

部下の状況上司のかかわり方
すぐに動かない部下部下が良くできている具体的な部分を指摘して、高い期待をしている旨を伝えます。例えば「〇〇さんは文章が上手なので、今回の企画書をぜひ任せたいと思っている。期待しているよ!」などです。すぐ動かない理由も考えながら、部下の望みを想像し、仕事で実現できるよう工夫します。
侮辱した態度をとる部下の中には自分を優位に見せたい気持ちがあることがあります。しかしそれができない焦りから、状況をよく分かっていないにもかかわらず「その仕事必要ないんじゃないですか」など侮辱した態度をとることがあります。仕事に向き合う姿勢を正す必要があるため「これは大事な仕事だ。理由は〇〇だ。」と強く主張します。その上で、部下の気持ちに想いを巡らせ、良い点を心から認め、仕事を通じて部下の望みが叶えられるようにかかわっていきます。
やる気がない指示だけではなく部下の話を丁寧に聴き、信頼関係を築くようにします。また、目標を今月の目標、今週の目標というように細分化します。目標は高すぎず、低すぎず、がんばれば達成できる程度に設定してあげます。
嘘をつく指示した仕事に関し、具体的に質問します。いつ、何をやったのか、誰に連絡したのか、記録をしたのかなどと、あらゆる面から確認します。人は信頼しても、結果は信用しないことです。正直に答えるようになったところで、その背景に想いを巡らせ、良い点を心から認め、仕事を通じて部下の望みが叶えられるようにかかわっていきます。
話をしてこない日頃から部下の行動を観察し、良くできた点、がんばった点、褒められる行動をとりあげ「〇〇は助かったよ。ありがとう。」など上司から話しかけます。表情がやわらいだところで、問いかけたり、別の話題をふったりします。
自信がない1on1では部下の話を傾聴し、業務では普通に接します。自己肯定感が下がっている部下に上司の力だけで対応するのは、難しい面があります。書籍を紹介したり、コーチやカウンセラーなど第三者の力を借りることをお勧めします。
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評価に過敏に反応し過ぎる評価に過敏に反応し過ぎる部下には、黙って部下の言い分を聴きましょう。気持ちが少し落ち着いてきたところで、評価にはコントロールできない面があること、自分がコントロールできることに専念することが大切であり、それは過去からの自分の成長であることを説明します。
成長しない小さなことからチャレンジし、少しずつ、一つずつできることを増やしていきます。最初はゆっくりでも、急激に成長する人もいます。部下の気持ちに想いを巡らせ、良い点を心から認め、仕事を通じて部下の望みが叶えられるようにかかわっていきます。

部下育成で上司も育つ

部下を育てることは、上司の成長にもつながります。子育てのように思うようにいかないことの連続が、人間を成長させます。

  • あれこれ工夫して部下が成長する体験を重ねることで、上司は成長します。
  • 待ちの姿勢を持ち、部下の特徴や状況を見て対応することで、かかわり方が磨かれます。
  • 自分の努力だけではどうにもならず、悩み考えることを通じて、多様で柔軟な態度が養われます。
  • 自分の仕事の質や量を向上させるだけでなく、自分の人間性を豊かにします。

まとめ

本記事では、部下の育て方が分からないと悩んでいる新米リーダー向けに、対応方法を解説しました。部下育成は、次の意識で取り組むことが大切です。

部下の行動の背景に想いを巡らせ、良い点を心から認め、仕事を通じて部下の望みが叶えられるようにかかわる。

一方で、目の前の仕事に悪影響が出ることは避けなければいけません。そのためには暫定対応として、仕事を優先した対応や部下の気持ちを安定させる接し方が必要です。部下の心が整ったところで、育成を意識した行動に移ります。

部下の育成は上司の成長にもつながります。「すぐ動かない」「なかなか成長しない」部下を目の前にして、上司は悩み考えます。計画どおりいかない、理屈が通じない、こうした経験が上司の成長を促します。部下育成が、しなやかな強さ(レジリエンス)を備えた上司をつくります。

  

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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