- いいとわかっているけど、できない
- やると言ったけど、できない
- やれと言われたけど、できない
本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。
「日経転職版 資格と学び直しに関する意識調査」/株式会社日経HR(2023年6~7月)によると、リスキリングに取り組んでいない会社員が約40%います。取り組まない理由は「時間がない」が45.8%、「何を学べばいいのか分からない」が34.8%、「お金がない」が29.4%となっています。わかっているけどできない人が多いことを表しています。
出所:「日経転職版 資格と学び直しに関する意識調査」/株式会社日経HR
出所:「日経転職版 資格と学び直しに関する意識調査」/株式会社日経HR
本記事では、わかっていてもできない原因、できるようになる対策を説明します。
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目次
わかっていてもできない原因
わかっていてもできない主な原因は、以下の3点です。
- 本当はやりたくない
- やりたいけどハードルが高い
- やりたいけど失敗が怖い
さらに全ての原因の背後には、次のバイアスが潜んでいます。
- 現状維持バイアス
- 正常性バイアス
本当はやりたくない
わかっていてもできない原因の一つに、本当はやりたくない、というものがあります。
- 「今後のために〇〇の資格を取らないと」と思い勉強を始めたけど続かない
- 会社でリスキリングが推進され、ためになりそうなeラーニングコースを選んで受講したが、途中で挫折した
- 英語を数年勉強しているが、電車の中でリスニングの練習をしているとすぐ眠くなる
伊集院
これは、全て筆者が会社員時代に体験した事例です。実際には、まだまだたくさんあります…
「やらなくてはいけない」と思っていても、本当にやりたい気持ちがないと続けることはできません。本当にやりたいことではないので、続けられなくても今の自分に大きな影響はありません。ただ続けられないことに対し「自分はいつも続けられない」と自分を責める気持ちが出てきます。
やりたいけどハードルが高い
やりたいまたはやらなくてはいけないが、ハードルが高いと続けるのが難しくなります。
- 2年後に司法書士の資格を取ろうと思い勉強しているが、ついスマホを見てしまう
- 簿記1級の資格を取らないといけないが、勉強が続かない
- 会社からデジタルの資格を取れと言われているが、仕事で忙しく勉強できない
伊集院
こちらは、筆者がコーチングを提供している中で、クライアントから聞いた話です。いずれも会社の要請で取り組んでいますが、苦戦しています。
やらないといけないができない、やる気はあるが続かない、こういうケースはよくあります。目標と現状のギャップが大きく、「こんなんで大丈夫かな」「ダメだな」と気持ちが沈みがちになるため、やることから距離をとるようになります。
やりたいけど失敗が怖い
3点目は、やりたいけど失敗が怖いというものです。
- 人間関係が嫌で転職したが、転職した会社でも人間関係に悩む
- やりたい公募案件があるが、手を挙げれない
- 自分のお店を持ちたいと言い続けて10年たつ
伊集院
いずれも筆者が実際の見た例です。転職先の人間関係に自分から飛び込んでいく勇気がない、自分から手を挙げてうまくいかなかったら嫌だ、店をもって失敗するのは嫌だ、こうした怖がる気持ちがあります。
失敗を恐れる気持ちから、どうしたら失敗を最小化できるかということに考えが及びません。多くの場合「~すべきだ」「~ねばならない」といった完璧思考があります。
行動できるようになりたい!
全ての背後にバイアスが潜む
人には誰しも現状維持バイアスと正常性バイアスがあります。わかっていてもできない背後には、このバイアスが潜んでいます。
バイアス | 説明 |
---|---|
現状維持バイアス | 現状維持バイアスとは、人がこれまでの状況を維持しようとする特性です。人は、変化することのリスクを過大に、現状のままいるリスクを過小に評価する傾向があります。 現状維持バイアスは、転職のように大きな環境の変化を伴うときに現れます。転職した場合の利益が、転職しなかった場合の利益を上回った場合、転職が最適な選択肢になります。しかし、多くの人は、メリットやデメリットを客観的に比較せず、何となく転職しないほうがいいかなと思い、機会を逃します。 |
正常性バイアス | 人は、災害に直面しても、なかなか避難行動がとれないことがあります。人は目前に危険が迫ってくるまでは、その危険を認めようとはしない傾向があると言われています。正常性バイアスと呼びます。 危険を無視することで、精神的な安定を保っていると考えられています。仕事において、この先厳しい状況が予測されるにもかかわらず、何ら手を打たないといった状況も同じです。 |
バイアスに対処する方法を知る!
できるようになる対策
バイアスを意識する
できるようになるために最も大切なことは、次の事実を意識することです。
自分には「このまま今の状態でいれば、この先の人生は順調に続く」と考えるクセがある
バイアスは現実の世界とズレがあっても、人間が生き延びるために身に着いたものであるため完全に克服することはできません。やったほうがいいと頭で分かっているのにやらない時は、「あ、バイアスが出た」と心の中でつぶやくのも、バイアスを意識する方法です。
自分に向き合う
自分に向き合うには内省が有効です。内省はリラックスできる環境で、紙とペンを用意し、ゆっくり考えを巡らせます。例えばテーマは仕事、生活、家族、人生と何でもよいので、次のようなことを考えます。
- 今の自分は?
- これからどうなる?
- 何をしたらいい?
内省に慣れていない方は、一人で自由に考えろと言われても難しいかもしれません。その場合は、コーチングがオススメです。当社は独りで自分をコーチングできる「じぶんコーチング」習得プログラムを用意しています。最初の半年間は専門コーチによるコーチングを受け、その後は独りでコーチングを実施します。
じぶんコーチングを知る
1日のやることに集中する
目標を高く設定するのは良いことですが、やることを1ヵ月、1週間、1日とブレイクダウンすることが必要です。それも少しがんばればできる水準の目標とします。1日1日のやるべきことを、達成しようと努力することで、いつの間にかゴールに近づいています。
- 目標をたてる
- 1日のやることを決める
- 目の前のやることだけ考える
たとえ失敗しても些細なことだと気づく
失敗を恐れ、あれこれ気をもみ行動できなくなります。これは過度に失敗を恐れることから生じます。ただ想定どおりいかなくても、影響はとても小さく、周りからの見られ方を本人が気にしているだけの場合も多いです。行動した結果には必ず何らかの収穫があります。できそうな小さな行動から試してみるのがオススメです。
- 想定どおりいかなくても、ほとんど損害はない
- 行動から次につながる情報が得られる
- できそうな小さな行動から試してみる
失敗恐怖を克服したい!
まとめ
本記事では、わかっていてもできない原因、できるようになる対策を説明しました。わかっていてもできない主な原因は、以下の3点です。
- 本当はやりたくない
- やりたいけどハードルが高い
- やりたいけど失敗が怖い
さらに全ての背後には、次のようなバイアスが潜んでいます。
- 現状維持バイアス
- 正常性バイアス
まずは、自分には「このまま今の状態でいれば、この先の人生は順調に続く」と考えるクセがあると意識することです。その上で、以下の3点が大切です。
- 自分に向き合う
- 1日のやることに集中する
- たとえ失敗しても些細なことだと気づく
多くの方が「わかっていてもできない」という状況を経験します。わかっていてもできないのは人間の本能に近いバイアスからきています。バイアスを意識し自分を客観視することが、人生をより良く過ごすことにつながります。
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