国がリスキリングを推進しています。新しい資本主義実現会議(第18回)においても、三位一体の労働市場改革の指針(案)が示されました。「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代に変わる必要があるとされています。もちろん学び支援は大事ですが、キャリアを見つける支援も大切です。本会議の指針から、リスキリングを推進する上で取り組むべきことを考えます。
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リスキリング、国は働き手には高い意識が求めています
国は、次の三位一体の労働市場改革を目指しています。
「リスキリングによる能力向上支援」
「成長分野への労働移動の円滑化」
「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」
働き手が、リスキリングを通じて能力を高め、転職や起業など自らのキャリア観に基づいた仕事人生を歩み、企業は能力に応じた報酬を支払う、そんな社会です。具体的に、次のことに言及しています。
これまで、
- 企業は、人に十分な投資をせず、個人は十分な自己啓発をしなかった
- 働く個人の多くが、受け身の姿勢で現在の状況に安住しがちだった
これから、
- 「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代
- 労働者が自らの選択によって、社内・社外共に労働移動できるようにする
- 誰もが生涯を通じて、新たなスキルの獲得に務める必要がある
- 転職などを実現するために、主体的に学び、報われる社会をつくる
自分のキャリアは自分で考える、働き報酬を得るためには学び続ける、どこでどのように働くかは自分で選択する、働き手には高い意識が求められます。キャリアを考えるといっても、何をどうすれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。自分のキャリア観と会社が求めるスキルが異なる場合、どう折り合いをつければ良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。
リスキリング、国の支援は企業から個人に
国は、能力向上支援の対象を、企業から個人に変えていく考えです。ハローワークが、リスキリングのコンサルティングを提供します。将来的には、民間のキャリアコンサルタントの活用を検討していくようです。
- 企業経由が中心であった学び直し支援策を見直し、5年以内に過半が個人経由での支援とする
- 業種・企業を問わず、スキルの証明が可能なOff-JTでの学び直しに重点を置く
- ハローワークや職業訓練校が、在職者にリスキリングのコンサルティングを行う
- 将来的に、民間のキャリアコンサルタントの一部にコンサルティングを担わせるか検討する
一人ひとりが自らのキャリアを選択する時代に合わせ、支援の対象を個人とします。ハローワークのコンサルティングには、支援可否の判断も含まれます。支援を受けながらも、個人がお金を払い学ぶことで、効果の底上げが期待されます。
問題はキャリア自律、コンサルティングが必要
働き手には自律的キャリアが求められ、キャリアを実現するためには学び続ける必要があります。キャリアに正解は無く、個々人が決めるものです。内省し考え続けることで、おぼろげながら見えてくるものです。計画どおりのキャリアを歩むことはほとんどなく、偶然の出会いや体験をきっかけに、見直し、再設計するものです。自分の目指すキャリアが定まると、学ぶべきことが見え、言われなくても学びます。
キャリアをもっと知る
国は、「キャリアは会社から与えられるもの」から「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代に変わる必要があると言っています。実現するには、知識やスキルの学び支援も大事ですが、キャリアコンサルティングなど一人ひとりが自身のキャリアを見つける支援も大切です。
一人で考えても、なかなか見つかりません。一律的にデジタルを学ぶことがリスキリングではありません。働き手に対し、リスキリング前のキャリア自律のコンサルティング機会を増やす必要があるのではないでしょうか。日本では、まだキャリア相談は一般的でないため、コンサルティングを受けた場合、国が一定額を補助するような支援もあり得ます。働き手を取り巻く環境は急激に変化しており、移行を丁寧に進める必要があります。自律的キャリアの実現に向け、実効的な制度設計が求められます。
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