- 論理的思考って何?
- 論理的思考をつけるにはどうすればいい?
- 論理的思考をつける簡単な方法はないの?
本記事は、こんな悩みや疑問を解決します。
論理的思考とは事実に対し納得できる結果を導く思考です。「部下育成の課題に関する実態調査レポート」/株式会社EdWorksによると、上司が部下に伸ばしてもらいたいスキルのトップは「論理的思考力」です。(下記のグラフ参照)論理的思考は、練習することで誰しも身に着けることができます。
出所:部下育成の課題に関する実態調査レポート/株式会社
EdWorks
本記事では、論理的思考とは、論理的思考ができる人・できない人の特徴、論理的思考ができるようになる方法について解説します。
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論理的思考とは?
論理とは 議論、思考、推理を進めていく筋道です。筋道とは事の道理、物事を行うときの正しい順序です。道理とは事実に対する納得できる結果です。こう考えると、論理的思考とは事実に対し納得できる結果を導く思考といえます。
事実に対し納得できる結果を導くことは、事実、推論、結論の3つの要素からなります。
事実
事実と意見は異なります。事実とは実際に起こった出来事です。「今日は雨が降っている」「今日の気温は22℃である」は事実ですが、「今日は湿度が高い」「今日は暖かい」は考えです。
推論
事実から結論を導くルールです。推論は誰しも納得できるルールにする必要があります。数値で示す、実証した結果で示す、世の中の共通認識を基に導く、これが納得感につながります。「今日は雨が降っている ⇒ 雨の日は滑りやすい ⇒ 今日の道は滑りやすい」といったようになります。
結論
事実と推論から導き出される結論です。「今日の道は滑りやすい」または「今日の道は滑りやすいのでスピードを出し過ぎないようにしよう」となります。
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論理的思考ができる人・できない人の特徴
論理的思考ができる人、できない人の特徴をみていきます。
項目 | 論理的思考ができる人 | 論理的思考ができない人 |
---|---|---|
事実 | 論理的思考ができる人は、事実と意見を区別できます。事実とは、客観的に観察や検証ができる事象やデータです。意見とは主観的な判断や評価です。「この本は面白い」というのは意見です。「この本は300ページある」は事実です。論理的思考ができる人は、事実に基づいて意見を形成することができます。 | 論理的思考ができない人は、事実と意見を混同します。自分や他者の意見を事実と捉える傾向があります。「この本は面白い」を事実と考えてしまいます。論理的思考ができない人は、事実と意見を混同し、考えや判断に誤りや偏りが生じることがあります。 |
視点 | 論理的思考ができる人は、複数の視点を持つことができます。自分の立場や考え方だけでなく、他者の立場や考え方も理解し比較検討します。自分が「このビジネスアイディアは良い」と思っても、他者の「そのアイディアはもう古い」という意見も受け入れ、自分なりの考えを形成します。論理的思考ができる人は、複数の視点を基に自分の思い込みや偏見を排除し、客観的に判断できます。 | 論理的思考ができない人は、一つの視点に固執する傾向があります。自分の考え方を絶対的なものと思い、他者の立場や考え方を否定することがあります。「このビジネスアイディアは良い」と自分の考えを主張し、他者の「そのアイディアはもう古い」という意見に聞く耳を持ちません。論理的思考ができない人は、一つの視点に固執し、他者とのコミュニケーションに支障をきたします。 |
根拠 | 論理的思考ができる人は、具体的な根拠を示します。「この本は面白い」だけでは、面白いという基準や根拠が曖昧です。「この本は、登場人物の感情や行動がリアルで、読者の共感を引き出す」は、根拠が具体的です。論理的思考ができる人は、他者が納得しやすいように、具体的な根拠を示します。 | 論理的思考ができない人は、具体的な根拠が曖昧です。「この本は面白い」とだけ説明し、具体的な面白さの根拠に言及しません。論理的思考ができない人は、具体的な根拠が曖昧なため、他者の納得が得られにくくなります。 |
伊集院
筆者は、コンサルティング会社で論理的思考を鍛えられました。入社当初は、何も知らず、文章はボロボロ、説明はガタガタ、ひどいものでした。一年間は、作った報告書が上司の赤入れで真っ赤になっていました。結構きつかったですね。次第に赤が少なくなり、いつの間にか赤入れする側になっていました。論理的思考やビジネス文章は練習すれば、誰しもできるようになります。自分の経験からも確信しています。
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論理的思考ができるようになる方法
論理的思考は、誰しも練習することで、できるようになります。筆者のお勧めする方法は、社説要約とX(旧Twitter)での発信です。
社説要約
新聞の社説を200字に要約する練習です。読解力、事実と意見を区別する力、まとめる力、文章力がつきます。まず意見に赤線をひきます。事例を見てみましょう。(下記の例では赤文字にしてあります)
[社説]株式の非公開化には規律と戦略が要る
東芝が22日開いた臨時株主総会で、同社株式の非公開化に向けた議案が承認された。1949年から続く株式上場は12月20日に廃止となる。東芝経営陣は国内系ファンドのもと、長年にわたる戦略の迷走を終わらせ、事業の再建に力を尽くしてほしい。
東芝の迷走の直接のきっかけは2016年の米原発子会社の損失発生で招いた窮地を、物言う株主(アクティビスト)への増資で切り抜けたことだ。新株主との間で経営路線に食い違いが見られ、フラッシュメモリーなど優良事業の売却を余儀なくされた。
東芝の島田太郎社長は非公開化後の経営について「安定した株主体制のもとで技術を軸に改革する」と述べた。アクティビストの声から解放されるという意味では、理解できる発言だ。目先の利益還元より長期の投資計画などに集中しやすくなるだろう。
東芝のほかにも非公開化の道を選ぶ企業は目立つ。MBO(経営陣が参加する買収)の実施後に食材宅配のオイシックス・ラ・大地の子会社となる給食受託のシダックスや、北欧のファンドと組んで自ら上場廃止を選ぶベネッセホールディングスが代表例だ。
企業にとって上場は目標ではなく、成長のための手段である。上場後にファンドの力を借りて非公開化し、じっくりと成長戦略を再構築する企業は増えるとみられる。13年にMBOを実施した米デル・テクノロジーズは事業を見直し、18年に再上場した。
しかし、当然のことながら、新たに株主になるファンドも企業価値の向上を求めてくる。むしろ、上場している時よりも強い経営の規律づけや戦略が必要になるのではないか。そうでなければ事業再建は難しくなり、再上場などの出口も遠のいてしまう。
非公開化に踏み切る際にも注意が必要だ。既存株主に十分な情報が提供されないまま、ファンドなどが株式を安く買い取る懸念が常にある。価格が低すぎて非公開化に失敗した企業は少なくない。独立委員会が価格などの妥当性をチェックする仕組みが必要だ。
取引先や地域社会などステークホルダー(利害関係者)への責任を考えれば、非公開になったとたんに経営実態が分からなくなるのも問題だ。定期的に財務諸表や再建策の進捗などを説明するようにすれば、経営にもよい緊張感が出るのではないか。
出所:日経新聞ホームページの掲載社説を基に加工
タイトルにメッセージがつまっていますね。前半は事実の記載が多く、次第に意見の記載が増えてきます。上記は全文ではありませんが、全文では最後に結論が記載されます。結論は事実ではなく、意見となります。次の200字に要約します。構成は次のようになります。
- 結論
- 理由(具体例も交えながら)
- 結論
この新聞社説の200字要約を毎日実施します。最初は面倒と感じるかもしれませんが、慣れてくれば短時間でできるようになります。文章を読むのがドンドン早くなるのを、本当に実感できます。
X(旧Twitter)発信
X(旧Twitter)投稿で文章を書く練習です。140文字と短文なので、自分が伝えたいメッセージを一言に集約する練習になります。投稿文の構成は次のようになります。これを140文字で実現します。
- 結論
- 理由
- 具体例
- 結論
事例を見てみましょう。筆者の本日のX投稿です。実際の投稿文に、<結論><理由><具体例><結論>を追記した文章となっています。
<結論>否定をやめ全て肯定すると良いことが起きはじめる!
<理由>人間は厳しい自然界で生きていくために、ネガティブに考えやすい生き物です。しかし脳は騙されるようにできています。見えてる世界は完全な事実ではありません。
<具体例>↓有名な錯覚の絵。
<結論>これを利用し自分をポジティブに騙すのです。いつも「Yes, I can.」
出所:筆者X投稿
このXの投稿を毎日実施します。慣れてくれば楽しいですよ。投稿し始めると「いいね」が気になりだしますが、論理的思考の練習だと思って、「いいね」が付いたらラッキーぐらいの気持ちでやってみましょう。^^
仕事をうまく進めるには、論理的思考と合わせ、自分の感情や思考をコントロールする力が必要です。キーは内省です。
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まとめ
論理的思考とは、論理的思考ができる人・できない人の特徴、論理的思考ができるようになる方法について解説しました。論理的思考は、誰しも練習することで、できるようになります。次の3点を意識し取り組んでみてください。
- 事実と意見を区別する
- 書くことで意見を客観視する
- 意見は根拠を明確にする
毎日、新聞の社説を200字に要約し、Xに140文字投稿する、これを3ヵ月継続すると思考が変わってきます。楽しみながら、論理的思考を身に着けることができます。ぜひ取り組んでみてくださいね。^^
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