仕事で伸び悩んでいる、何とかしたい。7つの解決策をわかりやすく紹介

個人のお客様ーレジリエンス

仕事で伸び悩んでいる方、そうした部下を持たれている方向けの情報です。

公益財団法人 日本生産性本部の調べによると、2021年の日本の時間当たり労働生産性は、49.9ドル(5,006円)で、OECD加盟38カ国中27位です。人口減少が進む日本において、生産性向上は喫緊の課題です。政府や民間企業・組織も様々な取り組みを進めていますが、1970年以降、最も低い数値となりました。

社会や会社全体のデジタル化も大事ですが、伸び悩んでいる働き手一人一人が、パフォーマンスを改善していく必要があります。

仕事が伸び悩んでいる時、一人で考えていても迷路にはまります。他者の意見を聞き、実験のように、あれこれ試してみるのが効果的です。人は体験を通じ、多くを克服することができます。

本記事では、仕事に伸び悩んだ時に役立つ7つの方法をご紹介します。

   

   

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がんばっているのに評価されない時は、状況を見える化する      

症状

がんばっているのに評価されない時は、事実を見ないで、自己完結している可能性があります。人は居心地が悪くなると、状況を自分に都合良く解釈し、やり過ごそうとします。

同僚や後輩が、自分より早く昇格したような場合、居心地の悪さを感じ、無意識に次のような考えが頭に浮かびます。

  • 「あいつの上司は優しいから」
  • 「上司にうまく取り入ったんだろう」
  • 「たまたま目立つ機会があったからな」

転職し、なかなか新しい職場に馴染めないと、次のように考えることがあります。

  • 「前職では、このやり方でうまくいったのに、この会社はみんなが協力的でない・・・」
  • 「前職は、対面のコミュニケーションが中心でやり易かったけど、この会社は在宅が多く・・・」
  • 「前職では、仕事を任せてもらえていたけど、今は作業的なことしかやらせてもらえない・・・」

「あの人は〇〇だから昇格したんだ」「今の会社は△△だから、自分はうまくいかないのだ」と別の理由を考えることで、客観的な事実に向き合わずとも、居心地の悪さは解消されます。しかし、これでは進歩はありません。

解決方法

解決方法は、状況の見える化です。見える化とは、書くまたは話すのいずれかです。ここでは、独りで実施できる書く方法について説明します。書くポイントは、次の3点です。

  1. 事実
  2. 考え
  3. 行動

まず、その時の事実を、書きます。この時、自分の思考は含めず、次の4点を記載します。

  • いつ
  • だれが
  • どこで
  • 何があったか

次に、考えを書きます。事実に対する考えとその他の考えです。その他の考えは、自分の考え以外にあり得る考えです。例えば、「後輩は成果を上げたから昇格した」と、当初は否定していた考えが思い浮かぶかもしれません。

  • 事実に対する考え
  • その他の考え

そして、行動を書きます。行動は、自分が実際に試してみようと思う行動を書きます。ポイントは小さな行動を意識することです。例えば、「自分は発信が弱いので、会議では、必ず一回発言しよう」といった具合になります。

  • 小さな行動

初めてのことに強い抵抗感を感じる時は、友人の頭で考える        

症状

経験したことがない初めてのことに強い抵抗感を感じることがあります。これには、全てを完璧に成し遂げなければならないという考え、しなければならない思考が潜んでいます。

Aさんは、既存顧客には落ち着いて対応できますが、新規顧客には緊張してうまく話せません。Bさんは、社内会議では饒舌ですが、社外会議はほとんど発言しません。

Aさん、Bさんは、無意識に次のような思考を持っています。

「質問には全て正確に回答するべきだ。間違いは許されない」

ある会社では、新サービスのアイディア会を開催することになり、Cさんがリーダーを務めることになりました。しかし、Cさんは、準備の時間がとれず、1ヶ月経っても会は開催されません。

Cさんは、次のように思考に陥っている可能性があります。

「会議の主催者として、会議を完璧に進めないといけない。」

しなければならない思考が強いと、経験のあることはうまくいくのですが、初めてのことは、不安が募り、前に進めることができません。

解決方法

解決方法は、友人の頭で考えるです。これも同じように、まず状況の見える化を行います。

  1. 事実
  2. 考え
  3. 行動

自分の思考は入れない、事実を書きます。未来のことでも、分かっている範囲の事実を記載します。

  • いつ
  • だれが(と)
  • どこで
  • 何があったか

考えを書きます。事実に対する考えと友人へのアドバイスです。「友人へのアドバイス」は、友人が今のあなただとしたら、どうアドバイスするか?、と考えます。例えば、「顧客からの質問に答えられない時は、持ち帰って回答すればよいだけ」と、意外な思考に気づくかもしれません。

  • 事実に対する考え
  • 友人へのアドバイス

最後に行動です。友人へのアドバイスを考えることで、まずはやってみようという気持ちが生まれやすくなります。

  • 小さな行動

   

   

頭で分かっているけど行動に移せない時は、小さな体験を実行する    

症状

人はだれしも、苦手意識をもつものがあります。

  • 人前で話すのが苦手だ
  • 営業が苦手だ
  • 自分に管理職は無理だ
「目の前の聴衆はカボチャと思え」

人前で話すのが苦手な人が、こう言われても、苦手意識は払しょくできません。

「営業で断られても気にするな」

営業が苦手な人が、こう言われても、気持ちは変わりません。

「あなたなら管理職が担える」

管理職に抵抗感を持つひとが、こう言われても、安心できません。

考え方、受け止め方を変えろと言われても、不安は改善されません。だからといって、苦手なことを避けてばかりいては、苦手意識はいつまでも無くなりません。

解決方法

解決方法は、小さな体験をするです。

苦手なことに馴れ、大丈夫と思えるには、短い時間でも体験する必要があります。苦手意識の克服には、頭で分かるだけでなく、実際の体験が必要です。

  • 数人の会で講師をしてみる
  • 懇意にしている顧客に営業で同行する
  • 小さなプロジェクトのリーダーを務めてみる

不安を伴うことは、本能的に生命を脅かすものと捉えられ、人は頭で分かるだけでは本当に理解できません。短い時間、小さなことでも、体験が必要です。

逆説的ですが、このことは、人は体験を通じて多くのことを克服できるということを意味します。

人間関係を築くのが苦手な人は、相手に何度も接触する          

症状

私たちは、仕事や生活をとおして、多くの人に出会います。関係性が深まり、友人になる方もいれば、仕事で頻繁に会っているのに、なかなか関係が深まらない人もいます。

Aさんは、今の会社に中途で入社して3年になりますが、「まだ周りの人からお客様扱いされている」と感じ、会社の人と親密な関係を築けないでいます。
Bさんは、「同僚はお客さんと楽しそうに話しているのに、自分はお客さんと仲良くなれない」と感じ、自分に何が足りないのかと悩んでいます。

自分は一生懸命に仕事をしているのに、なぜか人間関係がうまくいかないことがあります。

解決方法

人と関係を築くには、まずは、その人と関係を築きたいと思い、何度も接触することが大切です。

人は、繰り返し接触することで、相手に好意を持つことが分かっています。好意を持ってもらうには、見た目も大事です。また、人は自分と類似性があると、好意を持ちやすくなります。

さらに、関係を深めたい場合は、相手の苦手なところを見つけて、助けてあげることです。相手からの助けも期待できます。(以下の表を参照ください)

項目説明
頻繁に接触する人は、繰り返し会ったり、接触すると、好意が徐々に増します。物理的に近くにいる人には、好意を持つ可能性が高くなります。
見た目を良くする見た目も大切です。見た目が良い人は、相手に魅力を感じてもらいやすくなります。
類似点を見つける特定の事物や人物に対する態度が類似しているほど、好感がもたれやすくなります。趣味が同じ、出身が同じ、共通の知り合いがいるなどです。より関係を深めるためには、似ている点を探します。
相手を助ける相手の苦手なことを、先回りして助けることで、相手からの助けを期待できます。この繰り返しにより、関係はどんどん深まります。
人との関係を築く方法

    

転職を考えている方は、こちらもご覧ください。

人へのお願いは、肯定表現をつかう               

症状

人は、様々な場面で、他者にお願いしなければいけないケースがあります。お願いを快く受け入れてくれることもあれば、無視されたり、拒否されることもあります。

部下と待ち合わせをする場合、次のような言い方があります。

  • 「集合時間の5分前に来てください」
  • 「遅刻は絶対しないように」

子供に、帰宅時間が遅くならないように告げる場合、次のような言い方をするかもしれません。

  • 「遅くなるなよ」
  • 「7時までに帰ってこいよ」

相手は、お願いどおり行動することもあれば、しないこともあります。行動しない場合、つい相手がダメだと考えてしまいますが、こちらの言い方に問題はないのでしょうか。

解決方法

人にお願いする時は、「〇〇してください」と肯定表現を使うのが、効果的です。

人にお願いするとは、人に行動してもらうことです。行動とは、動き、動作、振る舞いなどです。行動にはエネルギーが必要です。したがって、行動とは、生きた人間が実行できるものです。

例えば、以下の否定表現は、生きていなくてもできるため、行動ではありません。

  • 諦めない
  • 話さない
  • 動かない

「〇〇するな」という否定の指示をすると、言われた側は、困惑し動けなくなります

「〇〇してみたら」と肯定表現を使うと、人は動きやすくなります。生きた人間として、主体的に実行できることが大切です。

人を説得する時は、相手の動機+5つの工夫               

症状

仕事では、人を説得しなくてはいけない機会にたくさん遭遇します。しかし、説得は簡単ではなく、うまくいかないケースも多くあります。

  • 顧客に提案内容を説明したが、全く反応がなかった
  • 面談で自分の経験を詳細に説明したが、不採用となった
  • 上司に新企画を説明したが、あまり関心を示さなかった

相手の反応が弱いと、焦りは増すばかりで、説明が長くなったり、主観的な話が増えたりと、逆に相手の信頼を損なう状況に陥りがちです。

解決方法

説得には、まず相手に動機があることが大切です。

相手の動機が弱い場合は、説得がうまくいかない可能性が高くなります。相手が抱えている問題や悩みを、的確に押さえること、これが最も重要です。その上で、相手の悩みを解消する方法を、分かりやすく伝えてあげることです。

しかし、現実には、新規の営業訪問など、相手の動機は弱いが、説得しなければいけないことが多々あります。その場合は、相手に振り向いてもらうための工夫が必要となります。それは、以下に示す5点です。説得は簡単ではないため、説得する側に、様々な工夫が求められます。

#項目説明
好意身体的な魅力により関心を誘う
権威権威者や専門家の意見を述べる
社会的証明多くの人が利用している事実を示す
希少性数が少ない限定品であることを示す
返報性試供品やノベルティによりお返ししなければと思ってもらう
相手に振り向いてもらう工夫

ストレスに弱い人は、意図的な対処行動(コーピング)を実施する       

症状

忙しい毎日、ストレスは溜まるばかりで、なかなか解消できません。金曜日に飲みに行ったり、休日は昼まで寝たりと、その時々でストレスのある毎日をやり過ごすことになります。

心理的なストレスは、疲労と同様に健康に悪影響を及ぼすことが分かっています。心身の緊張や不快な感情を引き起こす刺激をストレッサー、その刺激によって個人内に生じる身体・心理・行動的反応はストレス反応と呼ばれます。

職場のストレッサーが、個人要因や家庭要因の状況によりストレスになり、緩衝要因で低減されます。ここで低減されず、許容範囲を超えると、急性ストレス反応が生じることになります。(下記の図を参照ください)

出所:Hurrell & McLaney, 1988を基に作成

解決方法

ストレスに弱いと思われている方は、ストレスに対する意図的な対処行動(コーピング)が効果的です。

コーピングには、問題焦点型と情動焦点型があり、多種多様なコーピングをそろえ(コーピングレパートリー)、状況に応じ柔軟に使い分けることがポイントです。

  • 問題焦点型は、ストレッサーをなくす、減らすなど問題解決に向けた対処
  • 情動焦点型は、ストレッサーによって生じた不快な感情を、運動したり、音楽を聴くこととで、安定させる対処

まずは、問題焦点型と情動焦点型は意識せず、思いついたことや、居心地が良かったことなどを少しずつ増やしていくことです。参考までに、私のコーピングレパートリーを記載します。時々によって、意図的にコーピングを使い分けるのがポイントです。

  • 友人に相談する(名前を特定しておきます) ☆
  • 友人に愚痴を言う(名前を特定しておきます)□
  • 創業塾の先生に相談する ☆
  • 家族に愚痴を言う □
  • TwitterとLinkedInを見る □
  • 昭和ポップスを聴く □
  • 神保町を歩く □
  • 銀座を歩く □
  • ゴルゴ13を読む □
  • 心理学の本を読む ☆
  • 起業家の本を読む ☆
  • ジョギングする □
  • 近所を散歩する □
  • ブログを書く □
  • セルフコーチングを実施する ☆
  • 放送大学の授業を見る □☆
  • キャリアコンサルタント仲間に相談する ☆
  • 司馬遼太郎を読む □
  • ギターを弾く □
  • 庭をいじる □
  • 図書館で資料を調べる ☆
  • FMラジオを聴く □

☆:問題焦点型、□:情動焦点型

   

   

上司としての対応方法                     

上司は、できていない点を指摘するのではなく、まず伸び悩んでいる部下の話を聴いてあげることが大切です。できていない点は、当人が一番分かっています。その上で、状況を見える化することをサポートします。ホワイトボードを使いながら、部下の状況を事実と考えに分けて書き、一緒に解決策を考えていくかかわりがお勧めです。

解決策を考える上で大事なのは、上司が指示するのではなく、部下が考え、発案することです。部下が考えている間、上司は発言したくなりますが、我慢して待ちましょう。一つの体験が次の成果を生みだす好循環を作りますので、まずは小さな行動を意識することも忘れないようにしましょう。

まとめ                            

ここまでご紹介した7つの方法を、以下の表にまとめました。

#項目概要
1がんばっているのに評価されない時は、状況を見える化する書いて状況を見える化します。書くポイントは、事実、考え、行動の3点です。
2初めてのことに強い抵抗感を感じる時は、友人の頭で考える友人の頭で考えます。友人が今のあなただとしたら、どうアドバイスするか?、と考えます。
3頭で分かっているけど行動に移せない時は、小さな体験を実行する小さな体験をします。苦手意識の克服には、頭で分かるだけでなく、実際の体験が必要です。
4人間関係を築くのが苦手な人は、何度も接触する関係を築きたいと思い、何度も接触することが大切です。人は、繰り返し接触することで、相手に好意を持つことが分かっています。
5人にお願いする時は、肯定表現をつかう人にお願いする時は、「〇〇してください」と肯定表現を使うのが、効果的です。行動にはエネルギーが必要で、生きた人間が実行できるものです。
6人を説得する時は、相手の動機+5つの工夫説得は、相手が抱えている問題や悩みを、的確に押さえ、相手の悩みを解消する方法を、分かりやすく伝えます。その上で、工夫を重ねることが大切です。
7ストレスに弱い人は、意図的な対処行動(コーピング)を実施する意図的な対処行動(コーピング)を、多種多様にそろえ、状況に応じ柔軟に使い分けることがポイントです。
「仕事で伸び悩んでいる」を解決する7つの方法

   

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ピープルエナジー代表 伊集院正

22年間、⾦融IT・リスクのコンサルティングに従事。ITリスクチームの拡大や金融セクター設立に貢献。この間、優秀な多くのコンサルタント育成に関与。2020年、国家資格キャリアコンサルタントを取得。2021年に⼈材コンサルティングを開始し、企業の従業員や働き手に対し、心理学の理論を活用したコーチングを提供中。
   
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